『Dialect』:キャラクタ

キャラクタと作り方は至って簡単。簡単だからこそ難しい時もあるのだが、今回もお1人は少し悩まれていた。というのもこのゲームでは全部で15枚のアーキタイプカードが用意されている。そのカードには、そのキャラクタについての説明と、共同体へのかかわり方が書かれている。そのお1人が引いたカードが「魔術師」「予言者」「賢者」と、まあネタ被り気味だったのが問題だったようだ。
ちなみに私が引いて選択したのは「仲裁役」。「共同体の対立を仲裁する」のがお仕事で、「人がこのキャラクタに相談するのは争いの解決方法について」と明記されている。また共同体のかかわり方としては、「3つすべてのアスペクトとともにある。少なくとも表面上はそう見せかけている」ということで将来闇落ちするのも良さそうなアーキタイプを選択してみた。
またキャラクタの名前としては、外部に通じる名前とそれから共同体内部での名前を決定する。あだ名とかハンドル名とかだが、今回は「おもちゃの外見をあらわす名前」と「ゆうま君がおもちゃを呼ぶときの名前」が決定された。手番順に以下のようになった。

  1. ヴリトラマン人形」の「隊長」
    • 怪獣退治の特撮ヒーロー(蛇顔)。必殺技は胸の前に指で逆三角を作って打ち出すインド亜大陸光線。
  2. 「武者人形」の「将軍」
    • おじいちゃんから贈られた子供の日の武者人形。一段高いところでガラスケースに収められており、一番偉い。「将軍」の命令の下、「隊長」は怪獣退治に出撃するのだ。
  3. 「ちょっと大きなウサギのぬいぐるみ」の「ウーサー」
    • ゆうま君のお気に入りの人形で、寝る時も一緒である。
  4. ハスブロヨーダの手袋人形」の「尊師」
    • 知恵者でみんなの相談役。しかし先行き暗い自らの予言に悩まされている
  5. レッドドラゴンのソフビ人形」の「ゴジラ大王」
    • 並みいる怪獣人形たちの王。ヴリトラマンとも戦うが、その実はみんなのもめ事を解決する人形

『Dialect』:舞台設定

さて、このままでは何をしたらいいのか解らないので、このゲームではまず共同体を作るところから始まる。そう、これから壊すための共同体をみんなで相談してつくるところから始まる。何を決めるのかは【バックドロップ】に記されており、それを順番にブレストさながらにみんなで決めていく。

アスペクト

まずは今回のストーリの核となるアスペクトの決定で、この「Toybox Tales」では以下の3つを明らかにする。

  • 遊び時間:我々おもちゃと一緒に、その子は何の遊びをするのが大好きなのか
  • 子供部屋:我々おもちゃの日常生活を形作るのは、子供部屋の一体なに?
  • 自由記入:なんでも好きなように

話し合いの結果、我々が記入したのは……

  • 遊び時間:我々おもちゃと一緒に、その子は何の遊びをするのが大好きなのか
    • 怪獣退治
  • 子供部屋:我々おもちゃの日常生活を形作るのは、子供部屋の一体なに?
    • レゴ・ブロックの町
  • 自由記入:なんでも好きなように
    • 永遠の友達

共同体への質問

次に共同体を形作るべく、共同体そのものに対する問が5つ投げかけられる。ちょうどプレイヤは5人であったので、1人一問一答で答えていくことにした

  • 我々おもちゃは、その子供のどんなところが大好き?
    • さみしがりやなところ
  • 我々おもちゃは部屋の同じところでまとめて仕舞われているのか? もし違うのであれば、どこに仕舞われているかで社会身分は存在するのか?
    • 社会身分は存在する
  • 子供が学校に行っている時や寝ている時、我々おもちゃは何をしているのか?
    • 直近で遊んだことを思い出してお喋りしている
  • 子供部屋にいたがるのは誰か、外に出たがるのは誰か?
    • (……よく覚えていない……)
  • 我々が常に心配している脅威は何か?

名前

まず子供の名前はいくつか出してみた結果、どれもろくな名前にならなかったので、最近の人気の名前ランキングから「ゆうま君」となった。そして我々の共同体の名前は「ゆうま防衛隊」となった。

『Dialect』

言語について、そしてその言語が如何にして滅びるかについてのゲーム。
隔離された共同体を舞台に、隔離が故の言語の独自の発達と、そして隔離がとかれ共同体が滅びるまでを遊ぶRPG『Dialectを』遊んだ。
そのテーマにのっとって、背景世界の設定の種となる【バックドロップ】*1が16作ルールブックに掲載されている。いずれもゲームの最後には必ず共同体は終わりを迎える。
例えば、このゲームでは場面プレイヤ制で順番に場面を回し、それを3周回したところでゲームは終わるのだが、その上で全寮制高校物だと1サイクルで1年を表す。寄宿舎のある全寮制高校という閉鎖された空間で、独自の言語/単語/言い回しが発達し、そして3サイクルを回すことで全員が卒業を迎える。
今回遊んだのはそのうちの1つの「Toybox Tales(おもちゃ箱の物語)」で、PCはある1人の子供の一番の友達であるおもちゃとなる。先日、子供は10歳の誕生日を迎え、これからもその子と一緒に遊んでいこうとおもちゃたちが思うところでゲームは始まる。この【バックドロップ】でも、1サイクルで1年が経過し、3サイクル終了で子供は小学校の卒業を迎える……。

*1:【バックドロップ】:『フィアスコ』(ハロウ・ヒル)でいうところの【プレイセット】。

野望忌

この世は荒野だ!
唯一野望を実行に移す者のみがこの荒野を征することができるのだ!

結構、重めの風邪っぴき。野望忌だしお高めのユンケル皇帝液を飲んで、経口補水液を枕元にでも置いといてさっさと寝よう。
美味しいものをむしゃりむしゃり喰らって嫌がらせするのは、回復してから。

レベルアップ

順調にレベルアップし、ついにレベル:アラフィフ(四捨五入)突入である。
昨年はなんだか訳の解らぬ怒涛の一年になったが、今年も何がしか現実世界を少しでも振るわせられるように頑張ろう。

嵐の部族の起こり

ある日のことでした。
幾たび戦っても炎の部族に勝てないことをオーランスは、最愛の妻アーナールダにこぼされました。アーナールダは落ち着いて諭します。
「あなたでは炎の部族に勝てないでしょう。勝ちたいのなら、あなたも部族を起こすべきです」
その言葉に衝撃を受けたオーランスは、仲間を求めて旅に出ました。
初めは兄弟でもある、「猫」氏族の長インキンを訪れました。「植物部族がうざいんだ」と言うので、オーランスは植物部族の戦士を倒して「ほら、仲間に入るべきだろ」と言いました。こうして「猫」氏族が仲間になります。
次によき法を求めて、「木の皮に刻んだ印」氏族の長である知識の神を訪れました。神は箱の中に閉じ込められておりました。「石の部族が閉じ込めたんだ」と言いますので、オーランスは箱を壊して「ほら、仲間に入るべきだろ」と言いました。こうして「木の皮に刻んだ印」氏族が仲間になります。

オーランス無双

次によき戦士を求めて、「すべてを憎む」氏族のヴェイドラスを訪れました。ヴェイドラスは青の部族と戦いたがってオーランスの計画に耳を貸しません。そこでオーランスは腕相撲勝負を挑んで勝って「ほら、仲間に入るべきだろ」と言いました。こうして「すべてを憎む」氏族が仲間になります。が、ヴェイドラスは言います。「インキンは俺を引っかきやがった。奴がいるなら、俺は嫌だぜ」 オーランスは何も答えずに立ち去りました。
オーランスは次から次へを諸氏族を集めます。「旅する」氏族の長である喋る神は「牛をもっと商売に使えるなら」と同意しました。「牝牛」氏族のウラルダは「氏族民がもっと一杯食事できるなら」と同意しました。「穀物」氏族のエスラは「作物を外に持ち出しすぎる「旅する氏族」がいないなら」と同意しました。オーランスは次々と氏族を集めます。ある氏族は今も居ますし、ある氏族は離れていきました。追い出されたものもいますし、忘れ去られたものもいます。

会議

さてこうして仲間になった氏族を集めて、記念すべき第一回目の会議です。……大喧嘩になりました。あたりまえです。騒乱に継ぐ騒乱にオーランスは怒り心頭、全員をぶちのめすところでしたが、すんでのところでアーナールダが贈り物を持ってきました。まずは氏族長の証の首飾り。オーランスはこれをみんなに与えます。そして彼女は全員を「理解の館」に案内すると、話し合うことで各々喧嘩を止めて和解しました。最後にオーランスに権威の王冠を与えます。こうして諸人、オーランスの神聖な力に敬意を払うようになりました。
すると何処からか闇の部族が攻め込んできました。それぞれ氏族だけなら餓えた敵に負けてしまっていたことでしょう。しかしお互い協力することで、夜の戦士を打ち破ったのです。こうしてオーランスは王となり、嵐の部族が誕生しました。

後日談

ある日、オーランスは振り返り「なんで闇の部族の連中が会議のことを知っとったのかなぁ?」と、ふと疑問を漏らされました。アーナールダはただただにっこり微笑むばかりで、オーランスはそのことを考えるのをやめました。