『Hobbit Tales』プレイ例の翻訳

ロバート、マルコ、フランシスコがゲームをします。最初の語り手をクジで選び、マルコになりました。このラウンド、ロバートとフランシスコは災害プレイヤになります。
ロバートがマルコの左に座り、フランシスコが右に座りました。カードの2つの山札を個別にシャッフルし、歓声トークンをすべて不透明な入れ物に入れます。
プレイヤ全員が自分の前にコースタを置きます。声援トークンを獲得したら、そこに置きます。マルコが冒険カードの山からカードを4枚引きました。引いたカードは次の通りです。

  • 〔BOATS【ボート】〕
  • 〔FOREST STREAM【森を流れる川】〕
  • 〔GUARDED HOARD【守護された貯蔵物】〕
  • 〔NASTY WEATHER【嫌な天気】〕

ロバートとフランシスコも災害カードの山札からカードを3枚ずつ引きます。ロバートが引いたのは次の通りです。

  • 〔WILD FIRE【野火】〕
  • 〔SORCERY【妖術】〕
  • 〔GOBLIN TRAP【ゴブリンの罠】〕

フランシスコが引いたのは次の通りです。

  • 〔ORC CHIEFTAIN【オークの族長】〕
  • 〔NAMELESS HORROR【名も無き恐怖】〕
  • 〔CAVE-TROLL【洞窟トロル】〕

それからマルコは更に2枚の冒険カードを引き、そのうちの1枚を彼のお話の開幕に、もう1枚を閉幕に使います。引いたカードは次の通りです。

  • 〔MANY MEETINGS【多くの会議】〕
  • 〔FORSAKEN INN【見捨てられた宿屋】〕

マルコは〔MANY MEETINGS【多くの会議】〕を開幕に使うことにし、そのカードをボードの最初の枠に表向けて置きます。それから〔FORSAKEN INN【見捨てられた宿屋】〕をボードの右隣に裏向けて置きました。
さあお話の始まりです。マルコが語り始めます。最高にホビットっぽく演じながら。
「知ってると思うけど、俺たちStrongknuckle家のホビットっていうのはクリスマス時期には何度も何度も家族会議を開くよな……。一番でかいホビットの穴部屋に、うん、俺の伯父さんのバーナダスが持ってる部屋に集まって、息子ら娘ら、甥や姪との付き合いを楽しむんだ。良いパイプ草を吸ったり、2つの……」
マルコはここで自分が開幕に選んだ〔MANY MEETINGS【多くの会議】〕を参照しています。
「そうしたパーティの1つが終わって、家に帰る途中なんだが、杖で道を叩いて陽気な音色を響かせてたそのときだ。突然、雨が降り出してきたんだ」「まあ他のホビットと同じでちょっと位の水なら問題ないよ。いや勿論、美味いビールの方が良いに決まってるんだけど……。だけれどだ、すぐに土砂降りの雨になったんだ!」
マルコは〔NASTY WEATHER【嫌な天気】〕を空いてる枠に置きました。
これでフランシスコとロバートは(冒険カードが2枚場に出てるので)災害カードを使えます。ですので自分の手札を確認しました。語り手の左に座っているのはロバートなので、災害カードをプレイする機会は、まずロバートに与えられます。
ボード上の2枚の冒険カードにあるのは「ルーン」「森」「荒野」「洞窟」のアイコンです。
ロバートの〔WILD FIRE【野火】〕は使えません。使うには「邪悪な眼」アイコンが必要だからです。しかし〔SORCERY【妖術】〕なら使えます。条件が「ルーン」に「荒野」アイコンだからで、その両方がボード上に出ているからです。
そこでロバートは〔SORCERY【妖術】〕を自分の前に置き、こう尋ねました。
「その夜は、眩暈がし始めて古森をさ迷ったんじゃなかったっけ?」
ロバートがフィート・ダイスを振ります。〔SORCERY【妖術】〕の脅威度は5点。出目は7! 成功です! さっき出されたカード(〔NASTY WEATHER【嫌な天気】〕)は〔SORCERY【妖術】〕と一緒にされて脇に置かれます。これは点数計算に加えないことを示しています。

さてロバートが災害カードの効果を語り始めます。

「そうそう思い出した、その夜はまったくもっていい天気だったね! 君は飲みすぎて気づいてなかったろうけども、邪悪な呪文に囚われて、森の中で迷子になっていたんだよ!」

ロバートは(災害判定が成功したので)歓声トークンを入れ物から引き、その割り込みを終わらせました。見てみると数値は2です。ロバートは点数にすることにし、コースタの下に入れました。

そして語り手が話を続けます。マルコはロバートが話に加えたことを無視できません。

「そう、その夜! そのことは忘れたくて……、思い出すだに震えがくる! どのくらい歩いたか覚えてないけど、でも確かなのは、もし俺が森の中の川に頭から真っ逆さまに落ちてなかったら、その邪悪な呪文をかけた奴に連れ去られていただろうってことだ! その凍えるような水のおかげで呪縛から突然解放されたんだ!」

マルコは〔FOREST STREAM【森を流れる川】〕をボードに置きます。

〔FOREST STREAM【森を流れる川】〕には特殊アイコンである「スペード」が描かれています。つまり語り手の左隣のプレイヤ(ロバート)は災害カードを1枚引けます。ロバートはそれに従い、〔WILD WOLVES【野生のオオカミ】〕を引きました。

それからロバートとフランシスコは出せるカードは無いか手札の災害カードを確認しましたが、1枚もありませんでした。彼らが持っているカードは今使用できる地形アイコンの組み合わせにはなっていなかったのです。マルコは自分のお話を好きなように続けられます。

「本当、幸運なことに俺にはブランデーバックの血が流れていてね、いや俺の曾爺さんの1人なんだが……。水に落ちるや泳ぎ始めた。もし君らの誰かが同じ目にあった日には、簡単に溺れていただろうね! ともあれ思うに少なくとも1マイルは流された頃だったか、暗闇に弱々しい明かりを見つけたんだ……。ボートが俺の方に近づいてきていた。その船首にランプが釣り下げられていたんだ!」

そしてマルコは〔BOATS【ボート】〕を出しました。フランシスコとロバートが何も割り込みしないことを祈りながら。

有効なアイコンは「ルーン」と「荒野」アイコンが1つずつです。これらがボード上の直近2枚の冒険カードに記されています。これに一致するものは無かったため、お話は続けられます。

「もしかしたらエルフかって思ったか? もしくはおせっかいなよそ者、野伏とか? いや違った、大きな人の一人で、一度も会ったことがない人だった。年をとってて痩せていた。多分、耳が聞こえてなくて、目もあまり見えてなかったんじゃあないかな。というのも俺がボートの端にしがみついても気づかない様子だったからな。ボートは進んでいたけど、あまりにも疲れていたから助けを求めることもできなくて、ただただじっとしていたんだ。しばらくしてから爺さんは小石の多い岸辺に寄せて、洞窟の入り口に入るためにゆっくりと降りた。爺さんは何か重いものを運ぶかのように腰を曲げた。その時見たんだ! 爺さんが木の箱を運んでいるのを!」

マルコは最後のカードである〔GUARDED HOARD【守護された貯蔵物】〕を出し、ロバートとフランシスコが何か災害カードを出すかどうか待ちます。

現在の有効なアイコンは「荒野」2つに「洞窟」1つです。ロバートは何も出せませんでした。しかしフランシスコは〔CAVE-TROLL【洞窟トロル】〕を出せます。条件が「洞窟」と「荒野」アイコンだからです。

フランシスコは〔CAVE-TROLL【洞窟トロル】〕を出し、聞きました。

「それで君ら2人をやっつけようと、洞窟トロルが出てきたんじゃあないかい?」

フランシスコがフィート・ダイスを降ります。〔CAVE-TROLL【洞窟トロル】〕の脅威度は5です。出目は4! 失敗です! マルコはカードを無視できます。

「君の叔母さんが蒸留したっていうあの酷い酒を飲むのは止めときな! あの夜にそんなことは起きてないって」

語り手が閉幕にたどり着くのに埋めなくてはならない枠は残り1つです。マルコは手札がないので、即興で進めなくてはなりません。冒険カードの山から先頭のカードを引き、ボードの最後の枠にそれを置きます。そのカードは〔UNEXPECTED GUESTS【思いがけない客人】〕でした……。

マルコはちょっと思案し、それからそのカードをお話に組み込み始めます。

「さてさて俺が言った通り、爺さんは洞窟の中に入っていき、箱を運んで行ったんだ。勿論、どこに行くのか、そして箱の中に何が入っているのか知りたくなるよな! そこで何とか体を引きずり岸辺を進み、跡をつけていったんだ」

「そこで見たものを受け入れるのに、この世のどんなものだって役に立たないね! 古森の凍える洞窟の中、嫌になるほど大勢の幽霊が金で一杯の箱の前に座ってた! 餓えた目をして、実体のないお宝をかきむしっていたんだ」

ロバートとフランシスコは即興で出された〔UNEXPECTED GUEST【思いがけない客人】〕が語りに上手く組み込まれたと考えました。そしてお話が終わる前に災害を出せるかどうか確認します。

現在の有効なアイコンは「洞窟」「荒野」「森」「ルーン」です。ロバートは手札を確認し、〔GOBLIN TRAP【ゴブリンの罠】〕が出せることに気づきました。必要なのは「荒野」と「森」です。

ロバートは〔GOBLIN TRAP【ゴブリンの罠】〕を出し、尋ねます。

「うーん、古森の洞窟の中で君が怖がったっていうのはさ、幽霊なんかじゃあ無くって、実はゴブリンやオークの剣だって噂も聞いたんだけど?

ロバートがフィート・ダイスを降り、出目は8! 〔GOBLIN TRAP【ゴブリンの罠】〕の脅威度は6なので判定は成功!

マルコが出した〔UNEXPECTED GUEST【思いがけない客人】〕はキャンセルされて、点数としては数えられません。そしてロバートがもう1つ歓声トークンを引きます(またもや2でした。点数にするべく、これもコースタの下に入れます)。

さてロバートが災害カードの結果を語り始めます。

「ゴブリンがその不潔な手で君を捕まえ、君はと言うと恐怖で凍り付いていた。そして君は深い深い地下に連れて行かれた。君はもう二度と日の光を浴びることが叶わない! そしてゴブリンどもは雄叫びをあげた!」

即興中にマルコは割り込まれたので、打ち切りでお話を締めくくらなければなりません。

彼は閉幕カードの〔FORSAKEN INN【見捨てられた宿屋】〕を表向け、お話をまとめにかかります。

「何て最低な夜なんだ! 俺は幾日も幾日もゴブリンの巣穴で過ごした。まあだけど幸運な方なんだろうな、何と言っても食われなかったんだから。でもその代わり、どこか暗いところに放り出されていたんだ。何とか奴らのダンジョンから逃げ出した時には、もう飢え死にしそうで、見捨てられた宿屋にたどり着くまで当てどもなくさ迷う羽目に陥ったんだ」

マルコの語り手としてのターンは終了です。彼は物語を完璧な結末までは持っていけませんでした。なので閉幕カードを点数には加えられません。

災害によってキャンセルされなかったボード上の冒険カードを数えます。マルコは歓声トークンを4つ引くことができます。その上ですべてを点数とするか、そのうちの幾つかを「ビール数杯」買うのに使っても構いません。そうした分はゲーム終了後に追加ボーナスを競り合うのに使われます。