幼馴染との恋愛

 しかし同氏族の人間と結ばれるということはヒョルト人の中では社会的タブーであり、氏族の土地に混沌を呼び込むというほどの行為なのでした。無論、他の氏族に幼馴染の恋人を作っておけば問題ないので、幼馴染属性のある人は他の氏族出身の幼馴染を作っておけば良いのですが、ひとまずここでは同じ氏族の少女が幼馴染だとしておきます。
 さて少年には氏族を危機にさらすこともできないし、彼女を裏切りことも出来ませんでした。何もかもが判らなくなり、15になった少年は世を儚んでフマクトの神殿の門を叩いたのです。
 こうして彼はフマクト信者となるべくすべての縁故を断ち切り……、……断ち切り? そう、こうして氏族の構成員ではなくなった彼は晴れて少女と結婚できるようになったのですが、ここで彼の道は二つに分かれます。彼の彼女への思いは〈縁故:彼女〉の一点に絞られていたのか、〈彼女を愛する〉といった能力を獲得しているか、です。
 〈彼女を愛する〉じゃあ冒険の応用利かねぇしヒーローポイント勿体無いよなぁ、〈縁故:彼女〉の一点豪華でいいよな、などと思ってしまっていた場合、フマクト入信によって彼女への思いはすべて失われてしまうのでした。