人生バンジー、サイコロだうりゃっ!*1

ドキバクしているとスペクターたちがやってきて,手を引き川の彼岸に連れて行ってしまうのです.

 うーむ、「受動的な方が圧倒的に楽」と思ったのは、バンジージャンプの経験があるからか。
 その昔、琵琶湖タワーには4つのバンジージャンプ施設が設置されておりました*1。これを制覇しようということになったのです。行ったのは確か虎井の旦那、山岡の旦那、つるぎに、三菱零か。どうでもいいけど。
 何よりも厳しいのは、バンジージャンプとは本来成人の儀式である以上、本日これを飛べぬ奴は成人と見なせぬ故、夜の宴会では酒を呑ませられぬ、と取り決めたこと。まあ実際に飛ぶ前はやる気まんまんだったんだけど。
 最初は「紐無しバンジー」。腰に紐結わえられて、クレーンみたいなトコに吊り下げられて、「1、2、3、バンジー」の掛け声とともに紐を切り離されると言う奴。ぶら下げられたまま、「風があるんでちょっと待ってください」と言われた以外は問題なし。
 次は「逆バンジー」。柱が二本あって、その先端から出ているゴムを充分に引っ張った状態にして、地面のゴンドラに連結している。んで地面とのロックを切り離すと天空めがけて打ち上げられます。この時はなぜかゴンドラは常に前を向いたまま何度も上下運動するものだと思ってたのだけど、当然の様にグルングルン回転しだして大変だった以外は問題なし。
 そして「ブランコバンジー」。ブランコを想像してもらって、あの板切れの代わりに布ッ切れを置いてください。その布ッ切れに寝ッ転がって、身体を固定されます。そのまま後方にドンドン引っ張られていき、振り子の様に最終的には30mの高さまで釣り上げられて、ボタン1つで切り離し。スーパーマンだかウルトラマンだかのようなポーズで高さ30mからのブランコです。後ろに引っ張られ、ドンドン高さが上がるのが怖かった以外は問題なし。
 最後は普通の「バンジージャンプ」。さてここだ、問題は。既に塔に登る前から膝は笑っていたのだけれど、飛び降りるとこまで上りきります。そして海賊船から突き落とされるが如く、飛び降りる板の先端まで、手すりをしっかり握り締め進んでいきます。
「はーい、手を離して、頭の上で組んでくださーい」
 その声に併せて右手を手すりから離して後頭部に供えます。……左手は手すりのままで。そして左手も手すりから離し後頭部に供えました。……あれ? 右手が手すりに戻っています。いかんいかん。右手も頭だ、と頭に持っていけば、……あれ? こんどは左手が手すりに戻っています。振り出しだよ。
 そんな感じで右手が頭なら左手は手すり、左手が頭なら右手は手すり、こんな運動を地上からはるかに離れたところで繰り返します。いかほど時間をかけたかはまったく記憶にありません。ただ延々と右、左、右、左と繰り返しておりました。
 ……結局、自分で何も無い空間に一歩を踏み出すことはできず、係員のお兄さんに背中をドンと押してもらって、無事バンジージャンプを制覇しました。
 能動的って凄いよ、やっぱ! 尊敬するよ!

*1:「されておりました」過去形。琵琶湖タワー自体が2001年8月に廃業。