若者と魔女

 それは昔の物語。
 あるところに一組のカップルがおりました。それはそれは幸せな、正しくお似合いのカップルでした。しかしある日、女性の方が〔階段〕で足を滑らせ、〔死んで〕しまいました。
 若者は嘆き悲しみました。何時までも何時までも嘆き続けるものですから、〔両親〕は心配しました。そして〔道〕を旅して、〔盲目〕の〔魔女〕へ相談にいったのです。「息子が……
 私たちの〔子供〕が大変なのです」そう言って両親は訳を話しました。魔女は一つ頷きます。「それならアレだね、長い旅をさせることだよ。遠くの〔教会〕へ巡礼の旅などが良いね。〔罠〕にはめる様だけど、そうやって忙しくさせるが良いよ」と言いました。
 「その教会はある〔島〕の王宮にあってね、そこの〔人々が出会う〕場所へと行けば、息子さんは必ずや〔幸運〕を掴むことだろう」
 失伝。〔遠く〕と〔変身〕という文字が見えるが、意味は不明。
 ……そうして若者が旅を続けていますと、〔嵐〕に出くわしてしまいました。そこで若者は〔洞窟〕へと隠れます*1。するとそこには先客がおりました。それは〔醜い〕女性です。
 彼女は邪悪で、この〔山〕の支配者でした。若者はその女性に訳を話しました。すると邪悪な老婆は頷きます。「その街なら知っている。そこは私の〔故郷〕なのだよ。呪われてこのような姿にされたのさ。〔王〕が私をこのような姿にし、そして〔冠〕を奪ったのさ」それらはすべて嘘で、邪悪な女性は国を乗っ取ろうと考えていましたが、純粋な若者はそれをすべて信じてしまいました。
 なんでもします、という若者に、老婆は「そのまま言っては気付かれる。〔乞食〕に〔変装〕していくのが良いよ」と助言をし、若者はその言葉のまま旅を続けました。
 今、若者は王宮へとたどり着きました。そして〔台所〕へと忍び込みます。しかしそこには〔強い強い〕〔怪物〕が料理を作っておりました。
 こっそりと抜けだそうとしましたが、若者は怪物に見つかってしまいました。「おい、そこの。暇にしてるというならば、この料理を王にお持ちするのだ」そう言われ、若者は料理を運び、王の下へと行きました。出された料理を王は平らげ満足し、「この料理を娘にも持っていくのだ」と若者に命じました。言葉の通り、料理を持っていきます。そして若者は見たのです。姫の姿を見たのです。何たることか、姫の姿は失った恋人にまるでそっくりなのでした。二人はたちまちのうちに〔恋に落ちて〕しましました。姫は王の下へと駆け寄って、「この人と結ばれたい」と申し出ました。王は尋ねます。「お前は一体何者なのだ」と。身をやつしていた若者は「私は乞食です」と答えました。これを聞き、王は怒り出しました。「大事な娘を乞食などにやれるものか。衛兵よ、こいつをひっとらえ、牢に閉じ込めるがいい」
 若者は牢で嘆き悲しみました。「あの王は、老婆の言うとおり、本当に邪悪な王なのだ。それなのに私は牢に捕まり、何も出来ずにいるとは」その言葉をこっそり忍び込んできた姫が聞きとがめます。「あなたは何を言ってるの?」若者は姫には何も隠し事をする気はなかったものですから、すべてをありのまま言いました。それに姫は答えます。「あなたは騙されている。私は生まれ付いて姫ですし、私の父は王子として生まれ、今は王です。私の祖父もそうでした。付いてきてください。あなたの言う老婆が一体何をしでかしたのかを」そう言って、彼女は牢から若者を連れ出し、近くの〔街〕へ、いえ違います、街の廃墟へとつれてきました。「この街を廃墟にしたのも、その老婆です」そこでようやく若者は真実に気付いたのです。
 若者は王の下へと急ぎました。しかし牢から〔抜け出した〕若者を見て、王はすっかり怒り出してしましました。「衛兵よ! こやつをさっさと捕らえるのだ」そうして若者は再び牢に捕まりました。
 再び姫が牢屋に忍び込んできました。「一つ〔計画〕があります。〔こっそりと〕抜け出して、老婆をあなたの手でやっつけるのです。そうして疑いを晴らすのです」そう言って、彼女は〔鍵〕を取り出して、若者の牢を開け放ち、それから一つの護符を〔贈り〕ました。
 「この護符の〔呪文〕があれば、老婆を恐れることはありません」そういう姫から護符を受け取り、若者は再び旅に出ました。そして老婆の下へとたどり着きます。「おお、お前さんかい、帰ってきたということは、上手くしておおせたということかい?」そういう老婆に若者は首を横に振りました。「もう騙されたりはしないぞ、邪悪な老婆め」
 そうして二人は〔口論〕しました。
……
〔こうして謎はついに解かれ〕、若者と姫は仲良く過ごしました。

 これまた厳密なルール的には微妙な空気が一部しますが、まあスルーってなわけです。ただまあ次回やるときは、一文に出せるカードは一枚まで、と、はっきり定めてやることにしよう。そうしよう。あと無意味に使っちゃならないよ、ってのも。

*1:「〔嵐〕に出くわして……」またか、鮎方!