『ヒトラー〜最期の12日間〜』

 明るさと暗さの対比が恐ろしい。それが大きな印象。しかし明るいから良い訳ではない。それは赫々とした血であったり、またたとい太陽に照らされていようと、その日の光が照らし出すのは戦場の、それも交戦中の風景である。そして画面が暗くなり、ようやく画面は仮初でしかないが、それでも平和が保たれている地下要塞を映し出す。その画面を照らすのは、薄暗い電灯の明かりである。しかしその平和にもヒトラー自身が率先して狂気を染み込ませていくあたり、非常に救いがなくって溜まらなかった。一時、砲撃がやんだ時を見計らって、エヴァ・ブラウンと語り手であるヒトラーの秘書が地下を出て日の下を散歩をするわけだが、その明るい画面の中に映し出された小さな花にどんだけ助けられたことか。
 そんなささやかな例外以外、どこにも救いなど見出せなくって、観れば陰鬱とさせられる映画であるけど、それでも観て損は無い映画でありました。
 ……何が言いたいのやら。文章が、てか、筋道がぐねっておる。後日文章いじります。