トロウル・ボール:その他

 トロウル・ボールは古くからある競技で、プレイヤに公式に知らされている資料の中では一番古いスポーツではないかと思われます。無論、オーランスによる略奪をスポーツを言い張るのであれば事情は少し変わってきますが、ともあれトロウル・ボールは太陽が地獄へ下ってくる以前からトロウルによって遊ばれていました。
 無論、当時はトロウルキンはいなかったので、現在となっては絶滅してしまった甲虫の一種がボールとして使われていました。トロウルが地表に現れてからは色々な生物が使われるようになって、曙の時代にはアナグマが好まれてました。そしてグバージの呪いが起こり、トロウルキンが使われるようになったわけです。しかしトロウルキンが使われることが多いといっても、ボールとしてトロウルキンを使わなくてはならないわけではありません。現にゴン・オルタの城で5年ごとに行われるチャンピオンシップ・ゲームでは、ボールとして熊が使われています。まあこれはトロウルたちもやり過ぎと感じているようで、この試合に関しては棄権するチームもいるほどですけど……。
 このトロウル・ボールはトロウルたちに人気のあるスポーツで、プロとアマのチームがあります。プロ・チームは当然専業プレイヤーで構成されており、彼らはトロウル・ボールのために充分な装備・訓練時間が与えられています。またアマチュア・チームではプレイに参加を希望するものなら誰でも入れるレベルのものです。ですが一つの居住区にプロ・リーグとアマ・リーグが両方存在することは極めてまれで、大抵の居住区ではプロ・アマ混成リーグが行われています。こうしたトロウル・ボール・リーグは勝ち抜き戦で行われます。一方で草試合なども行なわれており、こうした試合では巨人の審判がいなくても問題ないとされてます。
 トロウル・ボールでは競技者が居住区を渡って長距離遠征をすることもあるとされていますが、勝敗の問題や賭事が行われるために多くの金銭が動くため、遠征は非常に危険なもので、滅多に行なわれるものではありません。最後に行われたリーグ間試合は、グローランサの現代より500年ほど昔1189年に行なわれたドラゴン・パスでのハリキーブ・リーグとシャドウダンス・リーグとの試合だと言われています。