入門シナリオ公開【↑】

 マングース出版の公式誌である『Signs & Portents Roleplayer』の35号で「A Raven In The Roost」と題された『Runequest』の入門シナリオが公開されています。この雑誌、電子媒体で配布されていて無料ですので、手にとって見るのも一興かと思います。

 ロースト(止まり木)と呼ばれる村がある。小さな村だ。一番近くにある人間の入植地までは馬で数時間走らせたほどの距離があり、神聖な樹木による建築物数棟で成り立っている。ここには数家族のダックが棲んでおり、まばらな森に落ちた木の実や果実を集めて食事としている。人に嘲笑われ、追いやられた者たちがローストに定住して一世代がたっており、ダックの家族は五軒の家と一軒の宿屋兼居酒屋からなる小さな村での生活を満喫している。概して平和な場所であり、旅人も交易や休息のために立ち寄るが、長居することはまずありえない。農夫や採集民として何とか生計を立てているようなダックの群に比べると、人の都市は遥かに愉快なものだからだ。
 ローストの傍には大きな池があり、そこでダックは娯楽として泳いだり、食料を得るためにすなどっている。また彼らが栽培している水生植物の産地でもあり、一番の交易品であるニンニクユリもそこで栽培されている。この刺激の強い花は池の畔近くに群生しており、手入れされていない雑草のように広がっている。そしてこれから多くの薬が作られる。効能としては、長命をもたらすとか精霊に対する守護になるとかも言われているが、そうしたものは多くのものは御伽噺と切り捨てている。ダックはこれを数十年に渡って調味料として使っており、またニンニクのような目立った臭いがあるものの、ニンニクユリはニンニクとはまったく関連の無い植物である。
 ローストの村はちょっとした冒険の舞台となるだろう。人間の都市へ向かっているにしろ、そこから出てきたにしろ、勇敢な冒険者たちはダックの持て成しを受けることだろう。そしてもしかしたら、ささやかな英雄くらいにはなれるかもしれない。

 と言う訳で、ダックのフィギュアを買いましょう。ってこと?