凍熱− ハンス・ペーター・クーン
展示物4点。
凍熱【Frozen Heat/Gefrorene Hitze】
50mほどの廊下。その片側の壁側に細長い長さ30cm程度の蛍光灯がずらりと一列等間隔に、それでいて突き刺し方はでたらめに天を向いて突き刺さられている。
- 感想
- 静かに波打っているかのよう。それでいて風景の切り取り。
- 白々とした冷たい明かり、それでいて熱を持つ明かり。
三態【Trypt/Trypt】
部屋。1つの壁面に扉のような大きなモニタが3つ。左から赤・黄・青の一色がモニタに映し出されている。
しばらくすると人が立っている姿が浮かび上がってくるが、焦点をあわせてくれない。
そのうち1つの色に焦点が合い始める。立っているのは着物姿の女性。踊っているようだが、また焦点がずれ始め、異なる色のモニタで焦点が合い始める。
- 感想
- 3つのモニタそれぞれが焦点を求めて、争うってよりも静かに互いを侵食しあっている。
- 音といい、色の錯覚といい、ぼやけた女性のわずかな動きとしい、コズミックホラーを感じたよ。全然、そんなことは意図されていないと思うんだけど。
未知の光景【undefined landscape/unerklärte Landshaft】
広い部屋。天井を向いた小型のスピーカが結構な数、床のところどころに設置されている。スピーカとスピーカの間は、だいたいそれぞれ2mくらいの感覚はあるのか。
スピーカからは様々な音が漏れている。
- 感想
- 座り込んだり、寝そべったりして音を聞いたよ。
- 音に包まれる。溢れる音。自分の中にあるかのように聞こえる音。右から左へと流れていく音。
- elarmeinくんがこの音にたゆたえば、どういう感想を聞かしてくれるのかなぁ。
- おお。音が上空を流れ、さ迷ってる。
- 左の方で何やらうごめく音あり。寝そべっている場所をちょっと変えてみると、当然っちゃあ当然だが、音はまださっきの場所でうごめいている。
- ふと、壁の方に目を向ける。その壁の向こうには『凍熱』が飾られている。壁の天井と床には隙間があって、そこから凍熱の明かりが漏れていて、それは当然白々としているはずだが、ほのかに青い光が漏れてきている。
- 『未知の光景』の部屋の明かりが暖色系の明かりだからか。
くつろぎ【Release/Entspannung】
『未知の光景』と繋がる暗い小部屋。入ることは出来ず覗けるだけ。中には何も無く、ただ床近くに明り取りの窓が一列に並んでいる。
そこから見えるのは枯れて枝だけになった背の低い樹木。
なのだが、その樹木には緑の光が当てられていて、まるで葉が茂っているかのように見える。
- 感想
- うん。見えるのだけれども、ちょっと意味解らなかったっていうか『くつろぎ』って題に共感できなかった。緑は明らかに人口着色料な蛍光的な緑で、綺麗なんだけど『くつろぎ』って言われたら、ちょっとなぁってのが感想。