友好の祝宴

キナルディア国では長年海賊による被害に悩まされていた。そこで領主ビルダー男爵は、オークたちの国トロメダンの族長であるロバッグと対海賊同盟を結ぶことにし、併せて自由貿易協定も結ぶことにした。この協定への署名の前日、エベンダー城では宴会が催される。ロバッグが招待されるだけではなく、そこには領地に滞在している勇敢な冒険者や旅人もまた招待された。
貴賓席に座るのはビルダー男爵とオークのロバッグ。陪席するのは男爵の従弟で、男爵位次期継承者であるグンダー。それと男爵の書記。男爵は執事に命じ給仕をさせ、自分専用のナイフ、フォークを用意させる。そして全員に飲み物が行き渡り、祝宴が始まった。
突然、男爵が胸を押さえて意識を失い倒れこむ。宴に参加していた冒険者たちが懸命に治療を行うが男爵の意識は戻らない。ハーフエルフの魔道士が《アストラル・サイト》を使うと、体内に魔法の気配が感じられる。魔法由来の毒が盛られたのだろう。ここにいたり書記が「近くにいた私たちは容疑者でもある。あなたたちに捜査を依頼したい」と冒険者たちに依頼した。
まずは従弟であるグンダーに疑惑の目が向かう。彼は人間以外に対して差別意識をもっており、今回の同盟を嬉しく思っていなかった。そしてなんと言っても男爵が死ねば爵位を受け継ぐのは彼である。しかし調査の結果、今回の魔法毒を作るには木炭が必要なことが解り、その木炭の粉がロバックの椅子の下から発見される。また別の調査でナイフに毒が塗られていたこと。そしてそのナイフを管理していたのは執事であることが解り、執事が疑わしくなる。しかも執事の持ち物を調査すると「この毒をナイフに塗れ」との伝言と毒そのものが見つかった。しかし執事は何も知らないという。どうにも魔法で操られ、また魔法で記憶を消されているらしい。直接動いたのは執事であることが解ったが、真犯人もいるようだ。
冒険者たちは儀式呪文を執り行い魔法毒の効果を調べたり、色々と調査を行い、結果一人の魔法使いに疑惑の目が向けられた。「大当たりだよ!!」彼はそう叫び、魔法で闇をもたらすや、マジック・アイテム「影の外套」で姿を消した。何処からか呪文の詠唱が聞こえ、そして喚起された悪魔が冒険者たちに襲い掛かった!

  • システム:パトリア・ソーリス
  • 場所:キャッスル・ティンジェル
  • GM:3名
  • NPC:6名7役
    • ビルダー男爵:ジェイさん
    • オークの族長ロバッグ:トニーさん
    • 書記【Chancellor】:デニスさん
    • 執事:ステファンさん
    • ヴェルテンのグンダー:鮎方
    • 悪の魔法使い:???
    • 喚起された悪魔:ジェイさん

NPCとして参加していたので、他のPCよりも若干冷静に物を見ていたのか、幾つか思うところがあった。

  • 情報や断片が一箇所でポップアップするや、ほぼ全員がそこに集まり情報を見ようとする。そして視線がそこに集中する。
    • ツアー旅行っぽいなぁ、とか思ったが、普段良く見るRPG風景考えたら違和感無くなった。つまり「マスタ、〈聞き耳〉/〈捜索〉します!」「あ、俺も」「俺も」「俺も」という流れだ。まあRPGではあんま経過時間管理ってしないから問題になっていないのだけどね。
    • しかしLARPでこの行動パターンをやっていると時間がただ無駄に過ぎていく可能性が高い。そしてRPGでも判定に対するコストとしての時間も考えてマスタした方が良いかも。
    • 悪の魔法使い氏曰く「誤情報、仕込み放題だよね」
  • 日本人故かゲームをまだ把握しきれていないからか(多分後者)、他人の身体を捜索するということに消極的であった。
    • ポケットの中とかはある意味プライベート空間だからなぁ。
    • マスタは「プレイヤが本当に身体検査をする」くらいのことを考えていたのだが、実際に行われたのは「ポケット/カバンの中のものを出してください」と依頼し、出されたものを調査するに留まっていた。
    • あと開催場所のものを調査するのにも、少々遠慮気味であったか。
  • やはり調査・推理系シナリオは難しい。
  • マスタ曰く「もっとキャラクタに入り込んで欲しかった」とのこと。
  • 魔法は結構使われたが戦闘する場面が最後しかなかったので、戦士系の方々は残念であったかも。
  • 魔法使いが遠距離攻撃呪文を唱えるときはボールを対象に向けて投射するので、制球力重要。流れ弾もダメージだ!