『ノド書 ブック・オブ・ノド』(発行:アトリエサード、発売:書苑新社)
銀装版を読んだー。原書を読んで以来10年ぶり位な気がしますが、それどもドキドキするのものです。自分の理解が正しかったのか、最初は気にしながら読んでいたのですが、やはり面白くって途中からあまりそんなこと気にしないで読み進めておりました。
読み終わっていきなり『ヴァンパイア・ザ・マスカレード』がやりたくなったのは、我ながら節操がないなァ。映画『キル・ビル』を見たときは『サイバーパンク2.0.2.0.』をしたくなったし。しかしまあ、今じゃあプレイするのは月に1度程度なんで、できないのだけれど。この辺、何とかするには、他のサークルを探してみたり、オンライン・セッションなところを探してみる必要がありかも。
で、話を戻してこの『ノド書』、『ヴァンパイア・ザ・マスカレード』という、吸血鬼が主人公となるアメリカのゲームがありまして、この世界では吸血鬼の祖というのは、旧約聖書に出てくるカインとアベル*1のカインその人であるとされています。そしてこの本ではそのカインの物語や吸血鬼の各派の話*2、その他の化け物*3との付き合い方、それから未来の予言などを扱っていて、作品世界においては吸血鬼たちの伝説的な書物という位置付けにあるわけです。
聖書ではカインとアベルが神に生贄を捧げたとき、神はアベルの贄は良しとしたのに対して、カインの贄は受け取らず、その結果、カインはアベルを憎み殺してしまうのですが、この『ノド書』ではアベルはカインに「どうして最も尊いものを捧げなかったのか」と問い、カインは自分にとって最も尊い初物であるアベルを神に捧げてしまう、となっています。この辺り、すんげぇ厭らしくってもう大好き。
というか、カインの物語は全体的にエロチックな昔話っぽくって好きで、そのあとの話に関しては所々でニヤリニヤリとさせられたり、その格好よさに惚れてしまって、再びゲームをプレイして、朗々とこの『ノド書』の一節を唱えたくなってきます。
本当、こういう設定が豊富な世界は全肯定で受け入れてしまう*4。設定さえあればキャラクタなんてどうでもいいよ、などと時に思ったりもするほどに。