湯の児神社

 島頂上付近には湯の児神社がありましたが、神社といっても町の小さな地蔵尊といった程度で、しかもお社は全壊状態。中央付近に格子状の木切れが散乱していたので、島を降りようとする2人を放って見に行くと、お社の扉でした。いやはや。
 しかしよくよく見てみれば、この時点でようやく気付いたのですけれど、この島を横切る散歩道にそって、右手、いままで歩いてきた外縁の散歩道のある方は自然そのままで、好き勝手に行き来できるようになってます。それに対して左手、神社のある方は植え込みが道に沿ってずらりと植えられていて、柵の役目を果たしてました。そして植え込みはしっかりと管理されているようで、これに凄い衝撃というか感動というか、兎に角痺れまくり。
 つまりは「社なんて出先機関はどうでもいいんだ」ということでしょう、これは。植え込みの奥は神域であって、しっかりその神域は守られているわけです。ご神体はその植え込みの奥、島の道の通っていない残り半分の空間にあるはず。もしかしたらこの島自身がご神体かもしれないけれど、だとしたら島の対岸部分に神社を作るだろうかな。なら神域のどこかに神座があるのだろうか。それともここは温泉町だし、島の反対側に出湯があるのかもしれない。そしてその出湯がご神体なのだろうか。
 ぶわっと、想像があふれ出て、駄々漏れになりかけるけど、この感動を2人に伝える言葉が出てこず、この向こうは神域なのだね、と説明するに留まってしまう。