『フィニィ128の秘密』(早川書房)

 世界規模で、一定期間をかけて行なわれるLARPを小道具にした小説です。
 例えば東京で手に入れた情報が、一ヵ月後に行なわれるニューヨークでのイベントに繋がってくる、みたいな雰囲気。そうして断片などの情報やら、百鬼夜行やインタビューを録音したテープなどのアイテムやらを集めて謎を解き、ゲームをクリアしつつ、実は主催者はとある陰謀を秘めており、その陰謀に主人公たちは徐々に触れて行き、作中現実とゲーム中現実が交錯し始める、というお話しです(確か)。
 このLARPでの戦闘判定がRPSでした。
 まあ作中、ネットを使った情報のやり取りが発生するわけですが、当然、それに飽き足らず、HPL研の(ごく一部に)著名な人を超レベルアップさせたかのような、世界規模の人間ワープがわらわら出てくるあたり、それからLARPとしての部分、そうした非常に懐かしいメイルゲーマー心に触れてくる小道具部分にウキウキしてるだけで、肝心要の小説としてはどうだったかって言うと、うーん……。