ヒューマス ⇒ ヒュー ⇒ ヒューマクト*1

 グローランサにはスンチェン人という民族がいます。スンチェン人とは動物(時には昆虫を)をトーテムとする諸部族の総称で、中でも馬の精霊ガラニンをトーテムとする部族としてガラニーニ族がいました。
 しかし馬というのは現実の歴史でもそうであるように、グローランサにおいても古くから人間と密接に関係を持つ動物であったために、かなり初期においてガラニーニ族は文明化することになります。神話としては

 緑の時代においては、ガラニーニはジェナーテラに数多くあるスンチェン部族の一部族であったが、曙の時代にはラリオスに生き残った小部族に過ぎなかった。オーランスガラナを戦で打ち負かしたので、彼らの馬もまたオーランス人の住む地域で草を食んだ。かくして多くの群がスンチェンの保護から外れ、オーランスの近侍エルマルが自らの庇護の下に置いた。

 とあります。
 そして歴史イベントとしては、ガラニーニ族の英雄エネラル【Eneral】の名を掲げたエネラリ族【Enerali】があげられます。彼らはラリオスのフェルスター湖周辺に住んでおりました。そしてST130年にゼイヤランの宣教師が来て嵐の神殿信仰が伝来されます。
 上にあるように当然エルマル信仰も(北方由来の「旗手」ベレンを介さない形で)入っているのですが、それ以上にオーランスとヒューマス【Humath】を信仰していたと思われます。と、いうのもこのエネラリ族からヒューマスの「剣の王」であるマクラ・マンが「第一評議会」に参加しているからです。
 さてこの「揺るがざる絆の男」マクラ・マン、現代にもそしてルール的にも名前が残っています。どういう形で残っているのかというと、フマクトの英雄カルトとしてです。ヒューマスというのは、「ヒュー=剣」「マス=風」すなわち「剣の風」という名前からも解るとおり、第一期ラリオスに伝わる嵐の神でありましたが、それでいてフマクトのことにも他なりません。
 つまり第一期の少なくともラリオスには、ヒューマス信仰(=風の眷属神としてのフマクト信仰)が生きていました。それをぶち壊し、新興宗教ともいうべきかも知れないフマクト信仰(=風を捨てた「死」と「名誉」の神としてのフマクト信仰)を盛り立て、今あるようにフマクトから完全に風を失わせたのは誰でしょう。
 「第一期」、「ラリオス」、「フマクト」、「マクラ・マン」と来ては私には一人しか思い浮かびません。それはアーカットです。
 より厳密に言うなら、「裸足の」ハルマストによる「光持ち帰りしものたちの探索行」以降の地界帰りを果たした男「ヒューマス/フマクトの息子」アーカット(≒フマクトの顕現?)が実行犯だと思っています。
追記:『ヒョルト諸民族史』のアーカットを読もう。<パラパラっと読んだ。ヒューマスもマクラ・マンも出てなくて絶望したが、一番の絶望はヒューマスもフマクトにグレッギングされるんかなぁ、ということだ。ヒューマスという存在自体(リアルタイムで)古い神だし。
追々記:しっかし復活の儀式で黄泉返させたら、その人の性格が変わっている、とか、ファンタジー世界ホラーな話しが作れるよね。キャンペーンの一話にでもいかが?な感じ。あれ? アーカット、お前、牛肉そんなに好きだったっけ? とかみたいな。