『ジョヴァンニ』

 さてジョヴァンニ。

 1526年、メディチ家の若き武将ジョヴァンニは、北イタリアの宮廷都市マントヴァを舞台に、神聖ローマ帝国軍(ゲルマン軍)のローマ侵攻を食い止めるべく、激しい戦いを繰り広げていた。
 当時の武将同士の戦いは、互いに尊厳をもって対峙する一騎打ちを基本とし、そこには戦争を生業とする者に共通する美学があった。しかしルネサンスの技術革新は、戦いの世界にも変化をもたらした。鉄砲、大砲が開発され、もはや倒すべき敵は顔も声もない、非人間的な戦争が始まろうとしていた。

 というわけで、青い人から教えてもらったルネッサンスばりばりな、というかサッコ・ディ・ローマ*1によるルネッサンスの終焉間近な時代の映画でした。フランスと神聖ローマ帝国*2がイタリアを虎視眈々と狙う時代で、イタリア燃え、ルネッサンス燃え、塩野七生燃えな人ならピピンと来まくる映画じゃあないでしょうか。
 何はともあれ、東京でしかやっていないようですが、評判よければ大阪にも来ると思いますので、是非とも関東の方々には見に行って欲しいところです。私の為に。

*1:「サッコ・ディ・ローマ」ローマ劫掠。1527年になされた神聖ローマ皇帝カール五世によるローマ侵略・略奪事件。イタリア・ルネサンスが終わったことを象徴する事件とされている。

*2:神聖ローマ帝国」神聖ですら、ローマですら、ましてや帝国ですらなかった国。