馬について調べて見ましたら、前歴史時代には馬ってあんまりいなかったんですね。半分くらいが歴史時代になってからの品種改良だったりしました。それに今まで調べたことに合わないことは沢山あるのでちょっとお困り。
 まあそれは兎も角、一番古い馬は何かというと、ガラナ種【Galana】とエクス種【Ekus】。この二頭は緑の時代、黄金の時代、嵐の時代と前歴史時代すべてを通じている馬でした。しかし

妊娠している雌馬がカルグザントの助けを断ったがために呪われてしまい、エクス種が生まれることになった。

 とあるので、そうするとエクス種はガラナ種の変異種と見るべきなのかな。両者共に生息地がラリオスとマニリアと似ているし*1。さてそうするとカルグザントが緑の時代からいた事になる。そしてもしいたとするのであれば、このカルグザントと呼ばれる神は馬の祖神とみるべきなんだろうなぁ。“哺乳動物の母”の子供か孫あたりの。
 次に古いのは金目馬【Golden Eye】。即ちハイアル種【Hyal】種で、これは黄金の時代に生息とされているのだけれども嵐の時代には既に絶滅*2していたようである。そして説明では

セアードのハイアロール人によって乗られていた

 とされているので、黄金の時代には既にハイアロール人というか、その時代の言葉だと虚言の民がセアードにいたということだろうか。しかし『The Glorious Reascent of Yelm』ではセアードのニヴォラの民が祖馬を皆に紹介したのは嵐の時代となっていて、しかも南に向かったニヴォラ市民がハイアロール人になったとされてるよ……。
 とまれ、次の時代! 次の嵐の時代には、また新たにダロン種【Daron】とダリティ種【Dariti】、そしてサード種【Sered】が生まれます。このうちダリティ種はダロン種の小型種とされていますので、実際には二種類の馬が現れたわけです。
 さてダロン種。これは西方の論理王国ダンマラスタン【Danmalastan】に生息していた、巨大馬デルスクヴァル【Deluskval】の子孫であるとされています。今までとは別系統の馬だと見るべきでしょうか。
 次にサード種ですが、これはイェルムの天かける戦車を引く二頭の馬、セラローア【Serraloar】とサラメイヴァー【Saramavor】の子孫とされています。つまりはペローリア原産馬という訳で、ニヴォラの民が発見、ないしは再発見した祖馬というのは、このサード種の原種ということなのでしょうか。この後、サード種は広がりペローリアのみならず、フロネラ、マニリア、ペント、クラロレラの何れにも生息することになります。……ので、祖馬がサード種とすると平仄はあうのだよね*3
 さて話は飛んで、ガラナ種はオーランス人の土地にも生息していますが、これには理由が書かれています。オーランスガラナを打ち破り、スンチェンの加護から解き放ったからであり、そうしてエルマルが自分の庇護下に置いたからだそうです。
 これで思い出せるのは、“牧夫”オーランスの神話におけるオーランスと“獣の王”との決闘で、これに幾度も勝利したオーランスは勝利のたびに益獣を勝ち取っていきました。そしてその勝ち取った獣の中に雄馬がいます。
 そしてまた思い出されるのはすべてを失ったヒポグリフ王の物語でしょうか。暴力の時代、翼を折られ、牙を抜かれ、爪を剥がれたヒポグリフ王がオーランスの農場を訪れたとき、多くの神は彼を忌避したが、エルマルはそれがヒポグリフ王だと見抜き命を救った。王はそれ以来エルマルにひざまずき、その子らは馬と呼ばれるようになった。そんな感じの神話です。

*1:「生息地」エクス種はこの二つの土地以外にシャンシャン山脈山麓の丘陵地にも生息している。

*2:「既に絶滅」ここでハイアラは眠りについた?

*3:「サード種」セアードとも音が似てるし、ってのは日本人的発送だろうか。【Sered】と【Saird】だけど。