『Fall of Magic』

いまや魔法は滅びに向かい、魔法使もまた同じ。
月影の地に我ら旅行く、魔法が生まれたその土地へ。


上で直にリンクしているYoutubeの動画は英語だけだが、その更に上のKickstarterのページから閲覧できる動画には日本語字幕が付いている。そしてその説明動画で説明するべきは抑えられているので、ここでわざわざ何かを付け加える必要は実際のところあまり無い。それでも幾つかは伝えられることがあるので、それをここで書いていきたい。
まずこのゲーム、どんなゲームかも知らずに見てみて、一番に気になるのはやはり巻物だろう。この巻物だけできゅんきゅん胸引かれる人もいるだろう。実際のゲーム進行でもこの巻物が一番重要*1になる。これはゲーム上の地図で冒険の進捗をしめしており、そして語るべきお話しの指針を最初から最後まで提供するものとなっている。
そして、そうこのゲームで重要なのは「語るべきお話し」である。このゲームではプレイヤがそれぞれ持ち回りで地図上に書かれたキーワードを元にお話しを語ることになる。似通ったゲームとしては『ワンス・アポン・ア・タイム』(ニューゲームズオーダー/ホビーベース)があるが、違う点としてこれは協力型ゲームだ、ということがあげられる。誰かが勝利するのではなく、全員で協力して「魔法が滅びつつある状況をどうするか」の解決策を語ることになる。
それは魔法の復活という形になるかもしれない。またプレイヤやキャラクタの同意が取れるのであれば、魔法が滅びつつも何がしかの代案が提示され、世界は魔法の滅びに同意するのかもしれない。それらはすべてプレイヤたちの協力や語り次第*2である。
さて、その語るゲーム、ストーリテリング・ゲームにおいて障壁となるのが言語の壁だ。このゲームも、冒頭のYoutube動画がしめすように英語で書かれており、英語話者を主たる対象としている。ただその次のKickstarterの動画にもある通り、言語は相手に伝わるように翻訳できる。それは日本語にも然りで、このゲームではKickstarterの投資者の投票に応じて各言語版が作られる*3
そしてKickstarterの投資者による投票によって、すでに電子媒体では日本語版リリースの条件は満たされている*4。次はこれが35票に達すると、巻物などの物理的な媒体もまた日本語化されることになる。
つまりは今、Kickstarterで15ドル投資すれば、紹介ページは英語ではあるものの、ゲームルールや地図などの電子媒体*5は日本語でこのゲームを入手できる。
そのついでにそれにあわせて日本語!とコメント欄で投票すれば、そしてそれが今までも合わせ合計35票に達すれば、物理的な巻物も日本語化される。つまりは誰かがあなたの目の前で日本語化された巻物を転がし広げる時が来るかも*6しれない。
追記1:2015年5月27日10:00頃、日本語化希望票が35票に達しました。これで完全日本語化の条件達成です。ありがとうございます。この記事で興味をもたれた方、投資を決められた方がいればうれしい限りです。
追記2:ふぇるさん、このゲームの存在を教えてくれてありがとうございます。
追記3:デザイナのRoss Cowmanさんが日本語版の巻物について考えられています。西洋の巻物のように左から右へと開くままで良いのか、それとも他の形にするほうが素敵なのだろうかと。右から左でも、上から下でも作成は可能だとのことです。もし興味がありましたら、Kickstarterのコメント欄に書いてみてはいかがでしょうか。私は断然、「上から下」派です。そうすればこちらのお店に依頼して、掛け軸に仕立て直したり出来るからです。

*1:一番重要:もしかしたら、というかもしくはもしかしなくても、一番重要なのは「プレイヤの強調」ではあるがそれはさておき。

*2:プレイヤたちの協力や語り次第:このゲームにはよく見るRPGにいるGMはいない。みんなプレイヤである。

*3:Kickstarterの投資者の投票に応じて各言語版が作られる:こういう試みは私自身初めて見たし、また初めて見かけたのがストーリテリング系のゲームだという点も重要だと思う。

*4:電子媒体では日本語版リリースの条件を満たされている:日本語化希望20票を2015/05/25達成。

*5:電子媒体:pdf版

*6:誰かがあなたの目の前で日本語化された巻物を転がし広げる時が来るかも:あなたが87ドル=65ドル(商品代)+22ドル(送料)払えば、その誰かはあなたかもしれない。