『13th Age』

『13th Age in Glorahtna』のキックスタータがようやく始まった。
これがあるのが解っていたから、と言う訳ではないが、JGC3日目にふぇるさんがマスタをされた『13th Age』にプレイヤとして参加していたので、そのことに触れておく。
システムに関して言うとd20システムと聞いていた通り。「1戦闘毎に1回」とか「1セッションごとに1回」といった使用制限のある特技でクラスや種族の特徴を出しているので、d20システムというよりも『D&D 4th』っぽい。と言う方が早いか。そして当然ながらいくつかの点で『D&D 4th』と異なっているが、そのうちの1つが行為判定になる。

行為判定

まずこのシステム、能力値ボーナスを判定の修正に適用するが、そこに更にボーナスとなるような細かな技能が存在していない。代わりに大雑把な「特徴」というものがある。
キャラクタ作成時に種族、能力値、クラスを決めた後で、8点をその「特徴」に振り分ける。特徴は各クラスごとに例示*1はされているが、あくまでも例であって自由記入である。
今回私がプレイした人間/パラディンの場合だと〈数々の章を獲得している:1〉〈部隊長:3〉〈元悪魔教の司祭:2〉〈誠実:2〉という風にした。他のPCだと〈宮廷魔術師〉という方もいた。ルールブックの例だと「用心棒」とか「大道芸人」と言う風に大体職業を挙げているようだった。
この「特徴」が行為判定に関連しているようであれば、割り振った数値が判定への修正となる。今回、我々は悪魔教の支配地を旅することになったが、その地理の判定の際に
「マスタ、〈元悪魔教の司祭:2〉なのでこのあたり知っていてもいいですよね?」
と確認をとり、結果「d20+INTボーナス+〈元悪魔教の司祭:2〉」での判定となり成功をおさめた。

アライメント、世界英雄との関連性

このゲームにはアライメントはない。無いのだが、それに近しい、そしてプレイヤの行動指針になるようなものがある。それが13人いる英雄*2との関連性である。英雄たちにはそれぞれ行動指針があり、そして彼らがローフル・ニュートラル・カオス、グッド・ニュートラル・イヴィルに分類されている。
キャラクタ作成時に13人の英雄に対して3つの関連性を結ぶ。これによってPCの大体の行動指針が決まってくると思われる。そしてゲーム開始時に関連性1つにつき1d6を振り、5か6が出ればその英雄に関連してゲーム中に援助の手が差し向けられる。
今回私のキャラクタはパラディンの守護者である金の竜*3との関連性を持っており、開始時に6が出たので援助がもらえることになった。そしてシナリオ最後に援助を使い、魔力を失い衰えた街を守るためパラディン軍団を駐留させ、そこを悪魔教との最前線にした。めでたしめでたし。

世界で唯一の存在

そして一番大きく『D&D 4th』と違い、またグローランサと親和性を高めているのが「世界で唯一の存在」の項目である。ここは完全に自由記入欄であり、結構好き勝手に書くことができる。無論、場の空気はあるだろうけど。
ここは雰囲気やストーリテリングにはとてもとても大きく影響するところであるのだが、システム面にはどのように影響するのかは解らない。もしかしたらシステム的には何も影響しないのかもしれない。
ともあれ私のキャラの場合は「“鶴の”ルカ【Luke the Crain】は元は炎燃え盛る車輪【Burning Wheel】の戦車を駆る悪魔であったが、人間の悪行にドン引きして悪魔界から追放され人間となった。」であった。
そして「死の匂いを嗅ぐことができる」というキャラもいたし、「世界英雄の落とし子」というキャラもいた。「男でも沼でも石でも何でも、孕ますことができる」というブルーのようなキャラもいた。
中でも一番きれいだったのは「世界英雄の1人であるトリックスターが書く小説の主人公であり、主人公に選ばれた途端に剣の訓練を初めて旅に出てしまった」という少女だった。明らかにPC1属性を持っていそうな少女であった。マスタの心にも響くものがあったのか、最後にはトリックスターが小説をパタンと閉じて、このセッションはお開きとなった。
とても良いセッションでした。

*1:特徴は各クラスごとに例示:もしかしたら種族にも例示されているかも。

*2:13人いる英雄:『シスター・プリンセス』の妹より1人多いと思った。

*3:パラディンの守護者である金の竜:どう考えてもバハムートであり、パラダインであり、フィズバンである。