『7th Sea: Second Edition』のキャラクタ、成長

その、世界で活躍するヒーロー。このゲームではプレイヤ・キャラクタは「ヒーロー」と呼ばれる。
1版では能力値、技能、特徴などをすべてひっくるめて100ポイントで購入していく形であったのが、それぞれ作成で切り離されたので一気にヒーロー作成は容易になった。色々、キャラクタを示す要素*1がある中、このゲーム特有の要素もいくつかあるのだが、その中でもここではともに「物語の展開」への主要な誘因となるアルカナと挿話について触れておく。

アルカナ

「愚者」とか「魔術師」とかのアレだが、1版と違って2版ではこのゲーム独自のアルカナに変更された。全部で20種類あり、それぞれ長所【virture】と短所【hubris】を有している。例えば

  • 「愚者」
    • 長所:狡猾(危機を回避できる)
    • 短所:好奇心(危険な何かを調査してしまう)

とか、

  • 「皇帝」
    • 長所:指揮(他のヒーロー全員が1ヒーローポイント獲得)
    • 短所:短気(自制心を失い怒り出し、トラブルを引き起こす)

という形である。ヒーローはその中から長所と短所を1つずつ持つことになる。これは選んでも構わないし、ランダムでも構わない。
両方ともセッション中に1度だけ発動することができ、長所はコスト無く利益を得られる。一方で短所は問題を引き起こしてしまうが、その代わりとしてヒーローポイント1点を得られる。プレイヤから見ればヒーローポイント獲得のコストしての問題発生だが、システムから見れば短所の機能はストーリの予想内/外の展開への誘導であり、ヒーローポイントを得られるのはそれへの誘因なのだろう。

挿話【Story】

ヒーローを作るにあたって、この挿話を決める。
これはマスタが用意するシナリオとは関係なくプレイヤが決めるものであり、「復讐:無実の罪を着せられた。目にもの見せてやる」といった風に作成する。こう書くと背景設定のようであるが、実際はそうではない。
この挿話を決める際には併せて「結末」と「報酬」を決めなくてはならない。「憎いあいつを這いつくばらせる。」などという風に、どうすればこの挿話が結末を迎えるのかを最初に決めておく訳だ。そして挿話がその結末を迎えた時に「技能〈威圧〉1ランク上昇」するという風に得られる報酬を決めておく。
つまりシナリオではなく、この挿話のシステムがヒーローの経験であり成長となる。そしてこれによってマスタはヒーロー個人の物語をシナリオに絡めるよう誘導されるし、プレイヤはシナリオだけではなく自分のキャラクタの物語をシナリオに絡めるよう誘導されることになる。

ヒーロー作成

こういう形で、マスタが作ったシナリオにプレイヤが関わるだけでなく、プレイヤの発案がシナリオを揺さぶりやすいような、もしくはプレイヤが自発的にシナリオを揺さぶりたくなるような要素を、ヒーローは初めから有している。
これが『7th Sea Second Edition』でのロールプレイの誘導となる。

『7th Sea Second Edition』のキャラクタ・シート

*1:キャラクタを示す要素:キャラクタ・シートを見てもらうのが早いが、国籍、名声、能力値、背景、技能、特徴、負傷管理、アルカナ、挿話などがある。