『7th Sea: Second Edition』の世界

セアー大陸は……ヨーロッパである。
中世ヨーロッパ風ファンタジー世界という文言を目にすることがあるが、そうセアーは紛うことなく(これ以外に説明のしようがないくらい)、近世ヨーロッパ風ファンタジー世界である。それがどれぐらいかと言うと、『ウォーハンマー』のオールドワールドと同じ程度にヨーロッパ風だ。

まず大陸の中心にアイゼン*1【Eisen】がある。それを軸に西にはモンターニュ*2【Montaigne】、南にはカスティーリャ*3【Castille】、東にはサマルティア共和国*4【the Sarmatian Commonwealth】があり、その更に北東でウスラー*5【Ussura】に至る。大陸の北の半島にはヴェステンマーンナーヴェンヤア*6【Vestenmennavenjar】があり、南の半島にはヴォダーチェ*7【Vodacce】が、大陸から海を隔てて北西に行けばグラマー諸島*8【the Glamour Isles】があり、そこではアヴァロン*9Avalon】、高地州*10【The Highland Marches】、イスモニア*11【Inismore】がアヴァロン連合王国*12【the United Kingdoms of Avalon】をなしている。
また今のところまだPCとしては選択できないがセアーの外に目を向けると、東に行けばキャセイ*13【Cathay】、南東には三日月帝国*14【the Crescent Empire】、そして海を大きく隔てると南にイフリ*15【Ifri】、西に新世界*16【the New World】までもある。
さらにこの世界での主要な宗教は預言者教会*17【the Church of the Prophets】であり、その最大派閥がヴァチシン*18【Vaticine】に本拠地を置くヴァチシン教会*19【the Vaticine Church】なのだが、オブジェクション/異議派*20【Objectionism】もすでに生まれ出ており、両者の戦いはアイゼンを舞台に30年に渡る十字架戦争*21【the War of the Cross】を引き起こした。
こうして豊かな大国であったアイゼンは国力を落とし、荒廃し妖異がさ迷う土地になった。
またオブジェクションに対抗して教会内では異端審問団が勢力を伸ばし、カスティーリャでは宗教裁判が横行している。
そのカスティーリャに4年前に攻め込んだモンテーニュは世界随一の国ではあるが、多くの民衆は「世界の皇帝」による圧制に苦しんでいる。
それとは逆に「黄金の自由」の国と呼ばれるのがサルマティア共和国である。連合王国ではあるが、その王は選挙で決められ、権力は議会が有する。しかしその議会も近年腐敗が蔓延りつつある。
またもう1つの連合国家のアヴァロンは、逆に高地州やイニスモアの住人が連合を良しとせず解放を求め、3王国の統一を保とうとするアヴァロンと衝突が起きている。
そうした連合国家がある中で、ヴォダーチェは「富こそ権力、権力こそ富」の名のもとに今では7人の豪商によって分裂しており、それぞれが別途、世界の果てを目指し相争う。
もう1つの引き裂かれた国家がウスラーである。この技術乏しい辺境国では、近年ツァーが不可思議な死を迎えた。そうして長子と後妻がその後継を争っている。
そしてヴェステンマーンナーヴェンヤアは野蛮な国と思われつつも、最も経済を支配している国であり、各国の思惑が錯綜する土地である。組合を有し、その組合で使用されている通貨ギルダーが各国で採用されている。
この混乱渦巻く中を悪漢がうごめき、ヒーローが様々な手段で立ち向かう*22
これがセアー世界であり、これが『7th Sea』である。

*1:アイゼン:神聖ローマ帝国

*2:モンターニュ:フランス。

*3:カスティーリャ:スペイン。

*4:サマルティア共和国:ポーランド・リトアニア共和国

*5:ウスラー:ロシア。

*6:ヴェステンマーンナーヴェンヤア:北欧。

*7:ヴォダーチェ:イタリア。

*8:グラマー諸島:ブリテン諸島

*9:アヴァロン:イングランド

*10:高地州:スコットランド

*11:イスモニア:アイルランド

*12:アヴァロン連合王国:イギリス

*13:キャセイ:中国。

*14:三日月帝国:オスマン帝国

*15:イフリ:アフリカ。

*16:新世界:アメリカ。

*17:預言者教会:キリスト教

*18:ヴァチシン:ヴァチカン。

*19:ヴァチシン教会:カソリック教会。

*20:オブジェクション/異議派:プロテスタント。またウスラーにはさらに別派のウスラー正教会【the Ussuran Orthodox Church】がある。

*21:十字架戦争:三十年戦争

*22:ヒーローが様々な手段で立ち向かう:例えばアイゼンにはウンゲテュームイェーガー【Ungetümejäger】(怪物狩人)、カスティーリャではミラビリス【Mirabilis】(司祭)が、モンテーニュではレヴォリューショネール【Révolutionnaire】(革命家)が、アヴァロンにはスイー【Saoi】(賢者)やショウンアエー【Seanchaidh】(戦詩人)が独立を夢見る中に統一庁調査官が、ヴォダーチェにはエスプロラトーレ【Esploratore】(探検家)が、サルマティア共和国にはポスウォヴィ【Posłowie】(元老)が、ウスラーには進歩主義者が、ヴェステンマーンナーヴェンヤアにはギルドメスターレン【Guildmästeren】(組合長)がいる。