『13 Age in Glorantha』

未訳洋ゲーである。それどころかまだ発売されていないゲーム*1である。
そんなゲームであるが、既に日本語化されたルールサマリと数多くのサンプルキャラクタがGMより用意されており、遊ぶのには何の苦も無かった。
また、そもそもこのゲームの母体となる『13 Age』自身が『D&D4th』から派生しているゲームである故に、戦闘面での混乱がないのも理由かもしれない。

『13th Age』

これについては手前味噌だがこちらに書いているので、参照いただけたら幸いである。
端的に言うと、ナラティブな行為判定や裁定に誘導するルールを搭載した『D&D4th』だろうか。
一番の特徴はやはり「世界に1つの素敵な事実*2【One Unique Things】」であり、キャラクタの特性の1つである。これは自由記述の項目で、世界の中で自分が唯一無二の存在であることを示す設定を記述する。
当然、『13 Age in Glorantha』にもこの項目はある。

世界に1つの素敵な事実【One Unique Things】

以前、『13 Age in Glorantha』を遊んだ際には私のキャラクタは

実際のところ、彼はすでに死んでいる。だが日が沈んでもイェルマリオの輝きは世を照らすように、彼が死んでも彼は生き永らえている。彼がいつ生まれたのか知るものはいない。彼がいつ死ぬのかも知るものはいない。

『13th Age in Glorantha』 - いつでも人生、明るい方を眺めていこうや

というものだった。
そして今回のキャラクタは、マスタからの事前情報で「最近テマーティン王がフマクト信者に暗殺された」というものがあったので、「テマーティンと殺した暗殺者」なフマクト信者ダックにした。
しかし、どうやって近づきました? どうやって殺しました? どうやって逃げました? とGMの追求は厳しく悩んだ挙句、今回の「世界に1つの素敵な事実」は以下のようになった。

ダックのウォルト*3はテマーティン王にはべるユールマル信者であった。ある日、彼は王の宝物庫で死の欠片の剣*4を手に取った。
ユールマルが死を手に入れるや、フマクトがそれを手に取り、死はフマクトのものとなり、ユールマル信者が死の欠片を手に入れるや、フマクトが彼を手に取り、ウォルトはフマクトのものとなった。
かくしてフマクト信者となったウォルトは人間のもとへ進み出で、まったく訳の分からぬままにこう尋ねた。
「王よ、私は新しい芸を身につけました。この芸を、王ご自身で試しては頂けませぬか」
王は鷹揚に頷き、ウォルトは剣で王を貫き、そしてテマーティンは死んだ

他の面々は以下の通りであった。

  • 存在感を同腹の兄弟に奪われたニンジャトロウル
  • 存在し得ぬ友の亡霊に取り憑かれた反逆者
  • 狂戦士の魂に憑依された平凡な牧夫
  • 女神を連れた少年(女神は普段子豚として抱かれている)

キャラメイク

フマクト信者ダックはスムーズに決めた訳ではないので、他の候補についても書いておく。
既に書いたが、GMからの状況説明があったので、

  • 「フマクト信者ダック」

は候補の1つとして既にあった。それから他の候補として心にあったのは

  • 「グーアラス*5という名前の嵐の王」

それから途中思いついて、ギリギリまでやろうかどうか悩んでいたのが

  • 「イェルマリオ・モンク」

であった。この「イェルマリオ・モンク」、火か大地のカルトであればルール上整合性が取れているようなので、ここで大地の女神に変更して女性モンクをやろうと考えた。
アイリーサ信仰にした上での、女性キャラクタなモロカンス・モンクだ。非の打ちどころがないキャラ設定だと思う。イェルマリオがモンクするよりもよほど納得がいく。
しかしサーター舞台で、特に良い「世界に1つの素敵な事実」を思い浮かばなかったので今回は無しとした。

シナリオ

さてシナリオであるが、開始早々のチュートリアル戦闘。
それが終わりルナー兵たちから救われたのは病み崩れた男。過去にブルーに襲われたがため、仕方が無くその猛威を治めるためにマリアを慰撫信仰する氏族の出身の男であった。
自分のことはどうでも良いが氏族を救ってくれという言う。個人的には
「ここを自キャラの山場に出来そうだなぁ、でも本当に冒頭シーンだよなぁ、そんなところを山場にするのかなぁ」
と悩んでいたのだが、エイヤっと割り切り、ここでゲーム中一度だけ使えるルーンの加護を使うことにした。たまたま偶然、今回の加護はフマクトにあった「死」の加護を得ていたので、「世界に1つの素敵な事実」にある死の欠片の剣を振るって、フマクトがオーランスにしたように、ウォルトは男とマリアとの縁を切断した。
このあと残るゲームを楽しみ、心から面白く遊ぶのだが、個人的な達成感という意味合いではここがマックスであった。

(いつもの)問題点

やはり何時ものようによく喋る能弁なフマクトであった。言えばいつもの鮎方のキャラであり、おめえロールプレイしてねえだろ?と言われる奴である。
まあ今回はダックであるから仕方が無いね!

*1:まだ発売されていないゲーム:(2014年10月14日にKickstarter目標達成したがまだ発売されていない。

*2:世界に1つの素敵な事実:公式訳でもなんでもない。鮎方が言っているだけなので、人と遊ぶ際に言う時は【One Unique Things】を推奨する。

*3:ダックのウォルト:私のキャラ名。無論、ウォルト・ディズニーから取った。

*4:死の欠片の剣:おそらく過去の英雄の探索行で得られた秘宝。

*5:グーアラス:桂令夫さんが一瞬ガーラスの訳語として考えた案。