その2:古代ローマ帝国

 その後ローマは世界国家となり、43年にクラウディウス帝によってブリタニア征服が始まります。サトクリフの『闇の女王にささげる歌』は丁度、この頃の物語で、61年のイケニ族女王ブーティカによる反乱を書いたものです。あと、あしべゆうほの『クリスタル・ドラゴン』の3巻で書かれた反乱もこの話ですね。
 一方でこの頃のローマはと言うと、クラウディウス帝が54年に死亡し、ネロ帝の時代です。この何年か後のウェスパシアヌス帝の時代を舞台にした小説として、リンゼイ・デイヴィスの『密偵ファルコ』シリーズがありますが、主人公ファルコはブリタニア属州へ兵役に出ていた経歴を持っており、また作中でもブリタニアを旅しています。
 さて話を戻して、この反乱でブーディカはロンドンを焼き討ちしたということで、もう既にこの頃にはロンドンがありました。この頃のロンドンはラテン語ロンディニウム【Londinium】と呼ばれてました*1。しかしこの反乱もローマ軍によって鎮圧され、1世紀末にはブリタニアの大半が制圧されます。

*1:ロンディニウム」沼地の城を意味するケルト語リンディン【Lyndyn】に由来する。