時雨沢恵一『アリソン (3) 上 ルトニを車窓から』(メディアワークス)

 いい意味で時雨沢恵一の外連が聞いていて、下巻を楽しみにさせてくれる。1巻の時はコレはどうかと思ったが*1、2巻でまあまあ気に入って、3巻もまた今のところいい雰囲気だ。『キノ』シリーズの書き様はいい加減飽きてきたので*2、これからもこうした作品を書いていって欲しいなァ。

*1:「1巻の時は……」『キノ』シリーズの様な書き様であったために、余りにも外連が頻繁で灰汁が強かった。また話が終わると思わせるような最後のヒネリは、残りページ数からまだ終わりでないことが明らかだった。ああした手は短編集であり、1本がいつ終わるか解らない『キノ』だから生きてくるのだと思う。

*2:「いい加減飽きてきた」ジャンプの王道(シャブ打ち)然り、外連はこうした状態に陥りがちだと思う。民衆は常により凄いサーカスを求めているのだから。