いい加減長ェからこっちに転載

# nishiyama 『強いルーンを探求するパワーゲームになってしまいそうな心配も』
# Vampire.S にいさま 『ルーン魔術、実は HW/HQ 系における「英雄探索行の結果手に入る魔術」のルールとコンパチで、2nd RQ における「死んだ魔水晶や敵の死体の一部に、敵の精霊を閉じこめて使用する」魔術のルールなどを含んでいますね。』
# Vampire.S にいさま 『そういう意味で、
>強いルーンを探求するパワーゲームになってしまいそうな心配も
RQ 2nd は、もともとそういう意味で「強い敵をやっつけて、敵の一部からレベルアップ」というパワーゲームだったという事実を鑑みると、意図的なメカニズム設計だと思われます。神知者の世界観にも、合うでしょうし。以前、まりおんさんのブログ上で「D&D ライクになるかも」と予言しましたが、ある程度は的中するかもしれません。』
# mallion 『けっこう簡単に「ルーン」が手に入りそうですよね。ダンジョンの奥にあるルーンを探して(=ルーンクエスト)…とかか? 複数のルーンを持ってないと使えない魔法とかもありそう。
たしかにD&Dライクになりそうですね。』
# Ayukata 『>西山さん:ただまあ融合には能力値であるPOWを1点必要とするコストなので、そうそう安易には融合できないと思います。POWが減ればMPも減りますしね。POW獲得ルールがまだ公表されていないので何とも言えませんが。▼あと「一度融合しちゃうと、切り離しにはかなり高度な魔法が必要」などとわざわざ書かれているので、もしかしたら切り離したくなるような事態も用意されているのかもかも。』
# Ayukata 『>Vampire.Sさん:「強い敵をやっつけて、敵の一部からレベルアップ」に惚れました! 2ndってそんなルール実装してたのですか。まるで、なんて、『ロストパワー』みたいなんだァ!(惚れ』
# Ayukata 『>まりおんさん:ルーンの組み合わせとかは実際ありそうですね。なんか「ルーンの探求」という言葉が、なんか第三期に比べると一般的な用語となりそうです。』
# nacky7 『http://www.concentric.net/~slposey/Gamelinks.htm
検索してみたらこんなん見つけました。ホワイトドワーフ誌の記事のようですが、私にはRQのバージョンも、そもそもグローランサ記事なのかどうかわかりません。チェックプリーズ。』
# Ayukata 『>ナッキー卿:眺めましたー。GWのRQ用世界Questworldの公式追加ルールっぽいですね。』
# nacky7 『あ、冒頭にはっきりと書いてありましたか。失礼しましたー。>Questworld』
# Vampire.S にいさま 『>「強い敵をやっつけて、敵の一部からレベルアップ」
恐らく、これはグローランサの基本的な法則であり、むしろ RQ3rd が特殊にこの要素を省いてしまっていただけだと思われます。というのも、RQ 2nd、King of Sartar、HW/HQ にはどちらも「同じ形」で記述されていますので。日本ではこのメカニズムの存在があまり知られていないようなので、ちょっと以下のコメントで概略を述べておきます――恐らく、RQ 4th はこの RQ 2nd の趣を復活させるために、敢えて第二期を舞台に選んでいるのではないかと睨んでいるので、今後何かの参考になることがあるかもしれません。
・RQ 2nd における成長メカニズムについて
RQ の成長メカニズムにおいては、

  • 冒険による経験(技能と POW に対する経験チェック)
  • 冒険の報酬として得られる金銭・宝物・魔術

の三通りの成長資源が存在していますが、RQ 2nd においてはこれらの間の重要度が RQ 3rd と比較して大きく異なっています。基本的に、低レベルにおいてはお金が圧倒的に強く、経験チェックは刺身のツマとなります。また、高レベルにおいては、経験チェックとは異なる「冒険の結果を表す報酬――D&D 的な意味での英雄の探索行による報酬」が加わります。
そこで、以下に、各レベル毎の挙動を簡単にまとめて見ましょう:
1. 低レベルにおける成長
基本的に、RQ の成長は技能の成長と魔術の成長の二軸で表現されています。
低レベルにおいては、どちらの場合でもお金の消費によりこれらを成長させることができて、

  • 技能:特に 90% 以前の技能値であると、経験チェックよりも訓練による成長の方が高速。
  • 魔術:Battle Magic (3rd における精霊魔術)は、金銭によって様々な集団から獲得できる

となっています。丁度、「技能システムを持っているだけのクラシック D&D」という感じです。
この理由の一端として、カルトのメカニズムが 3rd と異なっていることが大きく作用しています。RQ2nd ではカルトとは一種の「技能を安く教えてくれ、魔術を揃えているような職業ギルド」と表現するのが一番妥当でしょう(だから、Cults of Prax 等を参照すると、各カルトの「教えてくれる技能」が一生懸命にリストアップされている)。古い文献(例えば水野良氏や清松みゆき氏の書いたものや、あるいはルーンクエスト’90の記述)などを参照すると、フマクト神殿やイェルマリオ神殿を「傭兵ギルド」と紹介していますが、これは本当にそういった機能――技能と魔術の成長を有償で行ってくれる職業互助機関で、ついでに仕事も紹介してくれる――が強く表に表れていたからです。
当時の RPG 環境においてはクラシック D&D の影響が圧倒的だったことを考え合わせると、RQ といえども実は「冒険者の成長≒ダンジョン踏破」であったわけでして、低レベル時点から順に記述しますと、

  1. 装備購入、特にチェインメイルなどの金属鎧(注:RQ 2nd の装備は D&D ライクな値段であって、決して無体に高額な存在ではありませんでした)
  2. Battle Magic の購入
  3. 技能の購入

という順番で成長していくゲームでした。魔術の挙動なども考えると、T&T における盗賊、魔法使い、魔法戦士の成長パターンと同じで、カルトというのは魔術師ギルドの趣を持っていたわけです(だから、初期 RQ の空間では、カルトというメカニズムは「職能別に分化した魔術師ギルド」と捉えられていたのでしょう)。
さて、このようにしてみますと、冒険者は最初の内は色々なカルトに対して広く浅くコミットしている方が現実的(なにしろ、「収入の n % を捧げる」という規定は、成長の総量を規制してしまうのです)であって、実際例えばオーランス入信者がフマクトの平信者だったり、あるいはランブリルの平信者だったりすることは「とても良くあること」だったのです(参照:RQ 2nd におけるサンプルキャラクターである、“ルーンの槍の”リューリク等。ちなみに、この辺りの“空気”は、本邦の RPG ですと「ルナルサーガ」におけるカルトシステムによく似ています)。
2. 中レベルにおける成長
さて、とりあえず一通り Battle Magic の購入が終わりますと、次の成長段階として

  • Rune Priest を目指すために Rune Magic を獲得する
    • POW が一定数値を超えると、Rune Magic が再使用可能に
  • Rune Lord を目指すために技能を成長させる
    • めでたく Rune Lord になると、「装備」が向上する

という二つの向きに成長方向が分岐します。
この段階(主要な技能が 75% くらいでしょうか)でも、まだ技能の成長はお金による方が高速(一方、POW の成長は経験のみですので、魔術師は冒険する必要がある)で、故にRune Lord を目指すなら、入信者の地位に留まりながら技能を磨き、お金と補助としての経験を得るために冒険に出ることになります。
一方、魔術師を目指す場合はこの時点でカルトにおける位階を上げて、魔術を修得する代わりにお金を捨てる――つまり、技能の成長をみきることになり、職業が分化し始めます。
3. 高レベルにおける成長
ルーンレベルに到達する間際になりますと、技能の成長においても経験チェックの方が優越するようになります。
そして、もう一つの成長メカニズム――相手の“精霊”を奪って使用する――が顔を出してくるのですね。
RQ 3rd で、「死んだ魔水晶」という代物がありましたね? RQ3rd ではこれは魔力ポイントを蓄積する電池でしたが、実は RQ 2nd ではまさに
>このルーンとは天空高くで戦っている神々の血【blood】(精髄の方が良いかも)で、それらは大地に触れるや、そのルーンが刻まれた自然物(例えば石とか)に姿を変えます。
という形で機能していました。実は、死んだ魔水晶は、RQ 3rd 的に言うなら《魔力封入呪付》に加えて、《ゴースト呪縛封印呪付》が付与されていた代物でして。強い敵(いや、敵じゃなくてもいいんだけど)を倒したら、殺した瞬間にそれの精霊を打ち負かして死んだ魔水晶に封印し、その水晶と改めて“同調”すると、以降ソイツの POW に応じた MP 生産能力と、修得していた Battle Magic を獲得することができるのです。
故に、この水準に達すると、レベルアップは「共食い」の様相を呈します。つまり、強い敵を見つけては挑戦し、そいつを倒すとそのよすがを手に入れて飾っておくわけですね。
実は、RQ 2nd 当時のサナターやバゴッグ、血塗られた牙、あるいは悪鬼やゾラークゾラーン(現在だと《ゴースト創造》と《ゴースト支配》を提供しているカルト)は、「死んだ魔水晶抜きにこの操作が行える」という能力を持っていたに過ぎないカルトでした(RQ 3rd においては非常に異質なカルトに見えるでしょうが)。
さて、このメカニズムですが、HW/HQ にはそのままの形で残っています。それが英雄の探索行における「HeroQuest Challange」で、互いに対立する目的を持った個体が英雄界において神話の交点で会合し、両者が自分の〈能力〉を賭けて争い、勝者が敗者の〈能力〉を奪い取る。ちなみに、HQ のルールで最強になりたかったら、このメカニズムを使ってどんどん敵を倒していくのが最速です(なにしろ、魔道士が祈祷師から《魔精》の能力を奪っても個人的にその能力を使用することも、成長させることもできると明記されていますので)。
で、実はこの「敵対者を打ち負かすと経験点」ってのは、グローランサの基本メカニズムなんですよね。実際、グローランサ年代を参照しますと、
>……(前略)そして「不壊の剣」で死体をバラバラにし、体内に生命のかけらもないことを確かめた。彼は仲間に贈り物として死体の一部を与えた。……(後略)(アーグラスのサガ)
>……(前略)古い神々はもし負けたなら子供と友を虜に出そうと約束した。古い闇の悪霊たちは、もし負けたなら身体の一部をやろうと約束した。……(後略)(オーランス人の神話、竪琴のおこり)
>……(前略)オーランスが竜の骸から取った物は他にもあった。背骨の右からは赤い腱を、左側からは黒い腱を取った。アダマントでも引き裂ける歯を取った。また頭と心臓からあかあかと燃える宝の玉を二つ取った。……(後略)(オーランス人の神話、オーランスとアロカ)
>……(前略)悪魔のぬけがらは地理となって砕けた。居合わせた神々は皆、そのかけらを取っておいて、誓いを思い出すよすがにした。……(後略)(オーランス人の神話、光持ち帰りしもの達の探索行、網の儀式)
といった案配。
というわけで、むしろ RQ 3rd のルールブックに書かれていなかった方が、多分特殊例に属している現象です。日本におけるルーンクエストが、RQ 3rd 中心に展開した結果、Rune Quest/Glorantha に存在していた色々な特性を伝え損なった、ということなんでしょう。』
# Ayukata 『あー、前半を読むに大廃都がきちんと機能するなァ。プラックスを、というかパヴィスが紹介されていたというのも納得です。4版でもこうした「大冒険の舞台と補給基地」が用意されるのかな?』
# nacky7 『じゃあ、RQ3rdって「なに」? 何がやりたかったんだろう?』