シナリオというかシナリオフックというかメモ

先日、そう言えば超久々にクトゥルフのキーパーをやったので、そのメモ。

冒頭

皆さんは今、南米アルゼンチンのウスワイアにいます。
町内会のくじ引きで一等を引いたか、有休つかってガッチリ休みを取ったか、それとも会社を辞めて自分を探したくなったか知りませんが、一ヶ月ほどかかる南極探検クルーズに申し込んだのです。そうこれから南極へ向かいます。
その出発地がこの街、ウスワイアです。

前半の流れ

船は五日ほどで、とある島に立ち寄ります。船にはその島への物資が詰まれており、それの荷卸の都合で一晩をその島で過ごすことになります。船室があるので宿を取る必要はありません。
上陸すると小さな町には誰もいません。雑貨屋など開いていますが、店番もいないようです。〈聞き耳〉などに成功すると、港とは離れた位置にある浜辺の方が騒がしいのが解ります。

同じ船に乗り合わせた南極クルーズの参加者たちも来ています。聞くと、何やら謎の生物の死体が打ち上げられているそうです。良く観察すると、樽のような胴体と、多数の触手のようなものが見て取れます。実はこれは単なる自然界の生物に過ぎません。クジラでも構いませんし、カメでもかまいません。触手に見えるものも触手ではありません。そう見えるだけです。私のセッション時には、クジラとダイオウイカの死体が絡み合っている、と設定していました。
しかしNPCである「教授」にはそうは見えませんでした。
「……樽? ……ウミユリ?」
などと言葉を漏らしながら、ガタガタと震えだします。彼には(彼にだけは)それが「古のもの」に見えたのです(多分、プレイヤにもそう見えるかもしれませんが)。
それから五日ほどは何事も無く船は進みますが、夜、PCはデッキにいる「教授」を見かけます。南極大陸や船の行く手をまるで警戒し、監視しているようです。話しかければ彼は「鳥の鳴き声が聞こえないかね」と答え、どういう鳴き声か尋ねると、「テケリリ、テケリリ!」と鳴き真似をしてみせます。
〈聞き耳〉判定は行えますが、当然、何も聞こえません。何も聞こえないとの答えに「教授」は疑うようにPCの顔を覗き込み、何の意味もなくダイスロールでもした後で驚愕の表情を浮かべます。
彼は「何も聞こえない」などと嘘をつかれていることに気づきました。この船に乗っているものは誰も信用できないことに気づきました。そして身の危険を感じとり、殺される前に全員を殺すことにしました。

後半の流れ

夜半、「教授」は何か重いものを海に投げ込み、自分が船から落ちたと偽装します。そして自分は透明になる呪文によって姿を消します。
船がどうするかはキーパーの自由です。落ちた教授の捜索に移行し、クルーズは一時中断するのかもしれませんし、教授を探すように連絡をいれ旅を続けても構いません。
翌日の夜、まず彼はNPCの乗客Aの精神を乗っ取り、他の乗客NPCであるBの首を切り落とし殺します。先の決断はどうあれ、この時点でクルーズは中断となり、出発地に戻りはじめるのが妥当かもしれません。
PCが乗客Aが犯人だと気づかなければ、そのままC、D……と殺害を続けます。乗客Aに気づいた場合、乗客Aは一室に隔離されます。が、翌朝、乗客Aは自分の手で、素手で自分の首を千切り落として死んでいる姿が発見されます。

手がかり

  • 廊下を歩いていると、誰もいないのに人とぶつかる
  • 食事の数が合わず、つまみ食いをするな、と叱られる船員
  • 乗客Aは捕まっても「自分は何も知らない、何も覚えていない」と言い張る
  • 「教授」の日記
    • 最後の手がかり? 到底信じられないような教授の今までの冒険談が書き綴られています。自分を主人公にした中二病小説もどきにも見えるかもしれません。しかし最後の日付、これは数日前の日付ですが、そこに「自分の命が狙われていること」「誰が敵かわからないこと」「だったら全員殺せば問題ないこと」などが書き記されています。
    • SANチェックに失敗した場合、もしくはアイデアチェックに成功した場合、突然、これは真実なのだと悟ってしまい、SANが減ってもいいのかも。
  • 「教授」の魔術日記
    • 様々な呪文がわかりやすく会得しやすく掲載されています。SANが減ります。
    • 掲載されているのは〈姿を消す〉〈身体を乗っ取る〉〈イブングハジの粉〉〈ニョグタのわしづかみ〉などなど。
  • イブングハジの粉

NPC

乗客
教授
歴戦の探索者で、様々な呪文を覚えています。そして心に相当の傷を負っています。もうSAN値は無いに等しいでしょう。そして謎生物の死体を見て彼の心は折れてしまいました。神話生物が自分を殺しに来たと確信した彼は、自分が殺される前に神話生物の手下であろうクルーズの同乗者/船員を皆殺しにすることに決めました。

課題&問題点

  • 前半がたるい
  • 同時に登場するNPCが多い(乗客)

参考

  • ttp://www.polarcruise.jp/polarcruise/course/2007/half_round.html
  • ttp://www.polarcruise.jp/deck_plan/deck_plan1.html