その14:インシャラー

 ムハンマドの死後もイスラムの拡大は続きます。638年にエルサレムは陥落し、651年にはササン朝ペルシャを滅ぼします。そして東ローマからはエジプト属州やシリア属州を切り取りました。この後、後継者争いで紆余曲折があるのですが、シリア総督であったウマイヤ家の男が権力を握り、シリアのダマスカスを首都として、ここにウマイア朝が成立します。
 このウマイヤ朝も拡大を続けました。東方は中央アジアまで広がります。西方にはエジプトを経て、北アフリカ沿岸を通り、ジブラルタル海峡を渡りという形で広がりました。そうしてイベリア半島支配下とし、ピレネー山脈を超えたのです。