その26:統一

 再びアングルテールに目を向けますと、1100年、過酷な政治を続けていたギョーム2世が狩猟中に何者かの矢で殺されてしまいます。その後を継いだのは、“征服公”ギョームの末子アンリ【Henri】でした。そしてアンリの野望は田舎の一小国それに留まらず、1106年には兄であるノルマンディー公ロベールを破り、自身がノルマンディー公として父の旧領を再び1つに統一し、自分も父同様に大陸で政治を取りました。このアンリ統治下の1114年、ヒュー・ベリンガーがマイスベリに生まれます。
 しかしこうしたノルマンディー公アンリも幸せばかりという訳でなく、カドフェル短編「ウッドストックへの道」で書かれている通り、1120年に嫡子ギョームを海難事故で無くし、男子の後継者をすべて失ってしまします。
 そして彼は1127年、娘であるマチルド【Mathilde】をノルマンディー公にして、アングルテール王の後継者として指名しました。