デューレヴの民
「斥候」タトウスの先導の元、オーランスに率いられた我ら移民団は、ディニを下り北へと足を運んだ。
想像はしていたもののそれ以上に旅は過酷なもので、荒れるがままの広大な大地で最初の休息をとった時に脱落者が出た。そこで脱落者はその地に入植するようオーランスは言い、そこをマヴォレラ【Mavorela】と名づけ祝福された。
次に休息を取った地で我々も「低地への移住」から外れ、そこに入植することにした。オラーネが妊娠していたのだ、オーランスはこれを喜ばれ、その地をエヴォレラ【Envorela】を名づけられ、我らと大地を祝福なされた。
後に聞いた話では、オーランス率いる群は更に北へと目指し、ケタエラと呼ばれる土地に辿り着いた。そこには大地の民が住んでいたが、後にはヴィングコットの民が住まうようになった。
そうして彼らは母なるケロ・フィンの元へと、ケロフィネラへと辿り着いた。そこはドラゴンの住まう地であったが、後にオーランスと嵐の部族が住まうようになり、そして最後にはヴィングコットの民がそこですごした。
我らデューレヴの民は増えに増えた。子も孫も、そして曾々々孫の顔も見る幸いに預った。そしてエヴォレラだけでは住むに手狭になったので、我らはマヴォレラにも住むことにした。またオーランスの民は水の手から大地を開放してゆき、四度目に解放した地エイドレン【Adoren】、五度目に開放した地バイロン【Bilon】には我らデューレヴの民が居を構えた。
最後に我らの土地は、ケタエラにまで広がった。