室井大資『イヌジニン ―犬神人― (1)』(角川グループパブリッシング)

古来より。ある神社で汚れた仕事を一手に引き受けていた集団がいる。
死体処理、暗殺、呪術、警備……。
時代は移り、その集団は形を変え現代まで残っていた。
気が澱み、力の均衡が崩れるときに生まれ出でる「怪(け)」。
その怪を人知れず鎮め、社会の表面に出さないようにする組織。
それが犬神人である。

 全編通して面白く読めたわけですが、それよりも何よりも収録されている話の一つでは、過去の事跡を再演し一定期間の現世利益を得ておりまして、つまりはもろに英雄の探索行をしていて驚き楽しみました。
 というかまあ簡単に英雄の探索行シナリオとして再構築できそうですが、問題は実際には全然グローランサに旅立っていないことですね。いやこれは他のグローランサ記事にも言えることですが。