同族喰らい

 あわせてPCのイザーク(Ven/7th)が自分の血親への同族喰らいを果たし、第六世代となった。
 彼の血親は西欧の混乱から逃げるために、トランシルヴァニアで隠れ家を用意するよう言ったのだが、イザークはそれをミュハ・ヴィコスに依頼し、ヴィコス氏はツィミーシィの名士の隠れ家を紹介してくれた。
 セッション後のムービー・シーンでPCたちが人肉の大聖堂に行き着くと、そこには人肉の大聖堂と同化しつつある変わりきった姿の血親がいた。

「……頼む、息子よ」息も絶え絶えで、意識も朦朧としているようだ。
「もう、私は助からん。……願わくばお前の手で死を、真の死を……」
イザークは傷ましそうな表情を浮かべ、頷いた。
「みんな、先に行っててもらえないか。父との最後の別れをしたいのだ」
あるものはイザークに声をかけ、またあるものはかける言葉が見つからず、そうして席を外していった。
蠕動する肉の洞窟の中を進む一行。ぬかるみの中を歩くような足音が響く中、背後から悲鳴が聞こえてきた。
「そうではない、そうではないのだ、イザーク! そのようなことではない!! 違うのだ!」
肉体のみならず、魂の危機までも察知した叫び声であった。