Matthijs Holter『Archipelago』

ダイスレスなナラティブRPG
背景世界などは用意されていないが、何がしかの既存の世界を使用してもいいし、また自分たちで創ってもかまわない。そうして新たな世界を創る場合、このゲームではまず最初にその世界をみんなで創る。
一枚の大き目の紙を用意し、そこにみんなで地形や街などを書き込んで行き、名前をつけ、簡単な説明を加味し地図を完成させる。
またその世界からいくつかの分野を切り出し、各プレイヤがそれに関しては管理者となり、他人が決めた設定の採否などを行う。
こうして世界が出来上がれば、今度はキャラクタの創造となる。どんな設定だって、プレイヤ間で同意が取れれば言い切れる。気をつけなければならないのは、他のPCとの関係性を作っておくこと、くらいだろうか。
そして最後にして重要な「運命の分岐点」を決定する。これはキャラクタの目的ではなくプレイヤの目的であり、そのキャラクタの運命を大きく揺るがす何がしかである。プレイヤはキャラクタをこの運命の分岐点に立たせる必要がある。例え酷い運命だとしても、キャラクタはそれを知らぬままそこに向って進み行く。
これは自分1人だけでは決定できない。他のプレイヤ全員から自分のキャラクタの「運命の分岐点」に関して提案を受け、そのうちの1つを採用する形で決定される。つまり選択権はあるものの、その選択肢を作るのは他のプレイヤたちとなる。

ゲームの手順

シーン・プレイヤ制であり、シーン・プレイヤは何だって言える。そのシーンの出来事を決めるのは、シーン・プレイヤだからだ。何処を舞台にしており、今が何時であり、誰が登場しているのか、どんなNPCが居るのか、好きなように決めてよい。
ただ他のプレイヤも、そこに割り込む権利を有しており、以下の形で割り込める。

  • 「何か別のやり方で」と告げる
  • 「もっと詳しく」と告げる
  • 「そう簡単ではないかもしれない」と告げる
  • 「幕間が欲しい」と告げる
  • 「激しくいこう」と告げる

それぞれシーン・プレイヤに更なるストーリテリングを求めるものだが、一番多用されるのが「そう簡単ではないかもしれない」だろうか。これを言われると、シーン・プレイやは解決カードを1枚引かなければならない。解決カードには「成功」や「失敗」があるが、「成功」の中にも「成功、そして」という追加の利益を得られるものや、「成功、しかし」という不利益が発生するものもある。「失敗」も同様だ。ここで唯一、行為に対するランダム性が発生する。
そうしてシーンを回しながら、「運命の分岐点」に立ち、先へと進みゲームは終了する。