その11:燃えろ、アーサー

 さてブリタニアでは各都市が分立し個別に活動していましたが、指導者(龍の頭【Pendragon】)を選び出すなど、蛮族の王国の成立に対抗するため、それまで分立していたブリトン人の諸王国に統合の気配が芽生え始めます。
 そしてそこに現れたのが最後のローマ人、アウレリウス・アンブロシウスと言われています。5世紀後半、彼はブリトン人を統合し、ゲルマン人の侵攻を食い止めます。このアンブロシウスの弟がウーサーであり、ウーサーの子供がアーサー王だと言う伝承もありますが、また一方でアンブロシウスこそがアーサー王だと見る説もあります。サトクリフの『ともしびをかかげて』はアンブロシウスをアーサー王と見立て、そこでアーサー王は500年頃、ペイドン山にてウェセックス王を破り、ゲルマン人を南部に追いやります。
 この頃を舞台とした作品は多く、今度、創土社から再販されるゲームブック『グレイル・クエスト』シリーズもこの頃が舞台となりますし、無論のことケイオシアムの『Pendragon』もこの時代です。モンティ・パイソンの『モンティ・パイソンホーリーグレイル』も忘れてはならない名作ですね。