その12:七王国時代

 しかしこの勝利の影響も長くは続きません。ゲルマン人に勝利を続けるブリトン人は仲間割れを始め、内部崩壊に陥り、伝説では6世紀半ばアーサー王庶子であるモードレッドとの戦いに敗れ、死亡します(Blind Guardianの『Modred's Song』など)。〈カリスマティック・リーダーシップ〉なロッカーボーイを失ったブリトン人は以降統一を欠くことになり、それ以降、ゲルマン人による侵攻が再び始まり、ブリトン人は北(ピクトランド)へ西(カンブリア)へ、そして大陸(ブルターニュ)へと逃げていきます。
 こうして597年、山岳部であるカンブリア地方にカムリ人王国を、他に北西部やコーンウォールなどに王国を残しますが、それ以外のブリタニアからはブリトン人は駆逐され、ゲルマン人の王国が再び成立していました。そして中でも大きかったのが前述の七つの王国だったので、これよりを七王国時代と呼び、ゲルマン人同士の戦国時代に入ります。