その4:ローマ混乱

 2世紀末には五賢帝時代も去り、ローマは再び混乱に陥ります。それも3世紀をほぼ丸々かけての混乱です。
 五賢帝時代は96〜180年まで、およそ80年続きます。その名前から無論、5人の皇帝がいたわけですが、最初のネルヴァは2年しか統治していませんので、実質4人で80年を統治したことになります。ところが五賢帝時代も終わると、内乱期(193年)で2人の皇帝、セウェルス朝(193〜235年)で5人の皇帝、そして軍人皇帝時代(235〜284年)となると50年で26人の皇帝が入り乱れる結果となります。
 この混乱は284年になってディオクレティアヌス帝により収められることになりますが、ディオクレティアヌスは帝国東西に二分し、またそれぞれに正副の皇帝を、合計4人の皇帝による統治を打ち立てます。彼の退位とともに各皇帝の間にまたもや混乱が起こりますが、324年、コンスタンティヌス帝により再びローマは統一されました。
 しかしその平和も長くは続きません。