“次男”ヘンガル

 (前略)若者の時、彼は勇敢で寛大であり、「ヴィングコットの子ら」の中でもっとも高徳であると言われた。それにもかかわらず、彼は決して部族を創設しなかった。その代わりに彼は飲み物に毒を盛られ、その毒は彼の身体を巨大に育てた。一日の成長の後に、彼は族長の広間より大きくなっていた。絶望が彼をさいなんだのは、自分が血族を飢えさせることなしには食べていく事ができないということであった。
 ヘンガルは自分の武具をまとめて、父親の道をたどった。

 ヴィングコットの子らのサガの一節、「二人目の息子」より。